かつて米粒には稲の霊力(稲魂)が宿ると信じられていた。
そんな米粒を凝縮した餅や酒は霊力が宿る特別な食べ物。
たとえば正月は「歳神(年神)」を迎え入れるための行事。
やってきた歳神が御魂(その年の命)を配ることにより、
人は1歳年をとり、1年間健やかに暮らすことができる。
なんて話が伝わる地域が多いらしく、その御魂を餅で表した。
こうした文化的な背景を踏まえると、
おむすび(おにぎり)はギュッと結ばなければ…
また「むすび」は「ムスヒ(産霊)」から派生した言葉で、
あてられた漢字の通り、「霊力を生む」という意味がある。
日本の神話でも、「ムスヒ(ムスビ)」と名のついた神も多く、
神社での注連縄(しめなわ)、神籬(ひもろぎ)の結び方をはじめ、
髪や着物の帯、風呂敷、おむすびの結びにまで広がり、
息子(ムス・彦)と娘(ムス・姫)が一緒になることを結婚と呼ぶ。
このように古来よりとりわけ大切にしてきた言葉が「結び」。
だから結んでいないおむすびなんて!!!
コメント
「おにぎらず」についてはワタクシも拙ブログに記事を2回ほど書きました。
料理としての「おにぎらず」は、とても画期的で面白いものです。が、霊力は宿っていないでしょうね。
宜しければ拙ブログの記事、ご覧ください・・・
http://yurujapan.blog.fc2.com/blog-entry-166.html
なるほど「おにぎり」という言葉の方が造語を生み出しやすいということですね。
なんか急に思い出しましたが、春に出雲大社にいったときに想像していたよりも、しめなわが小さくてガッカリしました。