法隆寺や薬師寺の修復を手がけた宮大工、西岡常一。
法隆寺の大工には代々口伝が伝わっているそうで、
そのうち木の扱いに関する部分がとても興味深い。
- 堂塔建立の用材は、木を買わず山を買え。
- 木は生育の方位のままに使え。
- 堂塔の木組みは木の癖で組め。
山から木が伐採され、製材された後では木の癖が分からない。
たとえば西からの強い風を受けて育った木は東に捻れ、
時とともに元に戻ろうするから、その癖を知る必要がある。
また山の南斜面で育った木は、塔の南側に使うといいのだとか。
今ではすっかり忘れられつつある木の生かし方。
古代より続いてきた知恵を目の当たりに、
なんでそんな昔から科学的に正しい選択ができたんだ?
そんな驚き方をしてしまう今の私たちは、
本当に進歩しているのか、なんだか分からなくなる。
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