日本国憲法はアメリカに押しつけられたもの、との主張があり、
とくに憲法第九条の改正論議が絶えることがない。
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
改めて読み直すと、たしかにその運用実態は…
でも、日本の歴史・文化にきちんと触れ直してみると、
平和憲法の象徴「第9条」は日本らしいなと感じるようになった。
国内では豪族同士の内乱が続き、朝鮮への遠征が泥沼化する中、
仏教の教えをもとに、平和な国作りを目指した聖徳太子。
「十七条憲法」は第一条で、
和を以て貴しと為し、忤ふること無きを宗とせよ。
と制度以前に「和」を尊重する精神が大切!と宣言。
千数百年前に制定された、我が国最初の憲法は平和憲法だった。
キリスト教やイスラム教など好戦的な思想が多い中、
聖徳太子や墨子の平和思想は世界的にも異例の存在かも。
また大坂夏の陣により、長きに渡った戦国時代の幕が閉じた時、
徳川家康は元号を「元和」と改め、平和な国作りを宣言。
日本の島国根性がどうのと、勘違いされがちな鎖国政策は、
大航海時代の植民地政策から日本を守るための外交政策。
国内では世界最強の鉄砲生産国の地位を投げ棄てた。
戦乱に疲れると、平和の願いを法律や元号に込めてみたり、
武器だってあっさり棄ててしまう、それが日本という国なのでは?
だから「第9条」は日本史の集大成、といってもいいんじゃないかな。
むしろ私が気になるのは憲法の文体。
日本国憲法の誕生以前は、
- 法律など正式な文章…「漢字+カタカナ」
- 文芸作品…主に「漢字+ひらがな」
と住み分けができていたように思う。
でも、戦後の憲法が「漢字+ひらがな」で書かれたことで、
文芸作品に近づき、読み手によって解釈が変わるようになった?
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