James Thurber“Many Moons” →原文(英語)
以下はジェームズ・サーバー「たくさんのお月さま」の抄訳。
ある国の幼いお姫様が空に浮かぶ「月」を欲しがった。
王様お抱えの学者をはじめ家来一同、どうしたものかと頭を抱える。
そこに現れた1人の道化師。
世間の常識ではなく、姫の考える「月」を作ることが大事だと主張。
姫に質問し、持つ月のイメージを聞き出した。
- 月の大きさは自分の親指の爪より少し小さいくらい
- 窓の外の木のてっぺんに引っかかっていることがある
- 月は「金」でできている
そこで金でできた月のペンダントを姫にプレゼント。
姫はたいそう喜んだという。
でもすべての問題が解決したわけではない。
月は姫の胸元にあるはずなのに、夜になれば本物の月は現れる。
ごまかしがバレたらどうしよう?と家来一同ふたたび大わらわ。
周囲の心配をよそに、姫は夜空の月を見ても意に介さなかった。
「歯が一本抜ければ、新しい歯が生えてくるじゃない。あれと一緒よ。」
科学的に正しいことがこの世のすべてじゃないんだよね。
大人になると月へのアプローチを世間の常識であきらめてしまう。
自分で考えて月に近づこうとした姫のような無邪気な心が大切。
そしてそんな姫の心を常識で押さえ込もうとせずに、
まずは道化師のように相手の想いに寄り添いたい。
ところで昇りかけの月が大きく見えたりすることあるよね。
実はあれ、古来より研究されてるけど、まだ解明されていないんだ。
「ムーン・イリュージョン」なんて美しい問題名がつけられている。
天文学や物理学はもちろん心理学にまで論点が多岐に渡るという。
つまり月の問題を通じて、心と天空は密接につながっているわけだ。
それなら人それぞれの「たくさんのお月さま」があってもいいんじゃない?
コメント
この発想、マーケティングでも同じく大事なことなのかもしれませんね。
どこかのコラムで見た話ですが
○○というドリルが欲しい→はい、どうぞ○○のドリルですorあいにく○○は入手困難でして…
という対応ではなくて、
○○ドリルですか? どういう御用途でしょうか? (中略)壁掛け
加工をなさるのなら、○○ドリルで穴あけでも可能ですが、△△の
家電の壁掛け用キットや、××の固定具が壁に傷もつかないし取り扱い
も簡単ですよ。 と、相手のしたいこと、望むことを確認して本当に
必要なものを買っていただく(そのほうが安くても)のが一流の販売
であるという話。
これは現実的な問題への対応例ですが、意図を汲み取って粋に対応
を考えられる人の存在が、物事をスムーズに進めたり発展させたり
する鍵なんでしょうね。
意図を汲み取って粋に対応を考えられる人…
そういう人が商売はじめ人間関係に至るまでモテモテなんでしょうね。
そういえば以前投資信託業界を例に同じようなこと書きました。
http://www.pixy10.org/archives/13977737.html
ここ3ヶ月のように何から何まで値上がりする時期は別として、私たち個人投資家に寄り添うようなアクティブファンドだけが生き残るんだろうなぁ。