ローマ帝国衰亡史の冒頭を今のアメリカに重ねて

ジョン・ボーグル氏の"The Batttle for the soul of capitalism"(2005年出版)が、
米国はどこで道を誤ったか」という題になって日本語版が発売された。
さっそく買って読み始めたら、序章からいきなり面白い文章に出会う。
エドワード・ギボン「ローマ帝国衰亡史」の冒頭文を今のアメリカに変えた文章。
ギボンとボーグル、両氏の文章を並べて鑑賞してみよう。

ギボン「ローマ帝国衰亡史」の冒頭文
 西暦2世紀、ローマ帝国には地上でもっとも豊かな地域があり、もっとも洗練された人々がいた。広大な帝国の国境は、規律があり勇敢なことで知られる軍隊に守られていた。法律と文化が穏やかながらも強力な影響をもち、属領の統一を徐々にもたらしていた。平和を好む住民は富を楽しみ、あるいは贅沢にふけった。自由な政体の概念は尊敬を持って維持されていた。ローマ帝国はその後衰退する。いつまでも記憶される変転であり、いまも諸国に意識されている。


ボーグル「米国はどこで道を誤ったか」序章・冒頭文
 20世紀が終わるころ、アメリカ合衆国には地上もっとも強力な地位があり、もっとも豊かな人々がいた。国境は二つの大洋に守られ、その価値と理念は、他国の人々の尊敬と、羨望と、反感を同時に招いていた。その法律と、所有権と、風習と、事業組織と、金融機関とは、穏やかながら強力な影響力をもち、全体が国力を生み出していた。平和を好む住民は富を楽しみ、あるいは贅沢にふけった。自由な政体は段階的に州の連合を強化し、尊敬をもって維持されていた。


ギボンの赤字の部分が果たして今後、アメリカにも起こるのか?
サブプライムローン問題がその引き金になると唱える専門家もいるけれど、
世界が変わるほどのインパクトをこの問題が持ってるとは思えない。
今はまだ9.11後の世界。ドル安と資源高、すべては9.11から始まっている。
その先にあるのはアメリカではなく、産油国の崩壊なんじゃないかなぁ。

コメント

  1. ぐっち より:

    『万物は流転する』と古代ギリシャの哲学者が述べた言葉があるように、繁栄する国家も流転してきたのが人類の歴史ですね。
    私は「ローマ帝国の衰退がいつまでも記憶される変転である」、というよりも、なぜあれほど長く繁栄できたのかに興味があります。ローマ繁栄の理由としてプルタルコスは「敗者をも同化させることに成功した許容性にある」と明言してますが、米国が学ぶ点はここにあると思います。

  2. まろ@管理人 より:

     ぐっちさん、歴史にとってもお詳しいですね。
     敗者の同化。コカ・コーラなんかが成功事例かな? 米軍にくっついていって占領した地域の人々も、コーラ中毒にしてくるみたいな歴史があるので。

  3. レバレッジ君 より:

    ジョン・ボーグルがこんなタイプの本を出していたのを初めて知りました。時間をみつけて読んでみようと思います。
    ところで、リンクありがとうございました。私の方でも相互リンクに「格上げ」(笑)しておきました。