「結び」に込められた想い

「結び」という言葉は、もとは「ムスヒ産霊)」から派生した言葉で、
あてられた漢字の通り、「霊力を生む」という意味がある。

日本の神話でも、「ムスヒ(ムスビ)」と名のついた神も多く、
神社での注連縄(しめなわ)、神籬(ひもろぎ)の結び方をはじめ、
髪や着物の帯、風呂敷、おむすびの結びにまで広がり、
さらには、息子(ムス・彦)と娘(ムス・姫)が一緒になることを結婚…。

古来より日本人にとって、とりわけ大切だった言葉が「結び」なんだ。

でも、人付きあいで「結び」を意識しすぎると、心が傷んでしまう。
あまりきつく結んでしまうと、結び目が傷んでしまうのと同じように。

 むすんでひらいて、手をうってむすんで。
 またひらいて手をうって、その手をうえに。

結んだものをいったんほどいて、心を落ち着かせ、もう一度結び直す。
ほどけても、縁があれば再び結ばれ、縁がなければそのまま消えていく。
こんなことの繰り返しだから、ゆるく生きていこう。

ただ、人の命は何かのきっかけで、あっという間に消えてしまう…
とっても、はかないものなんだろうなぁ、と妙に実感した今日この頃。

一期一会をちゃんと意識するとか、小さな別れにも心をこめるとか、
後々後悔しないために、そんな心遣いも大切にしたいと感じはじめた。
こんなことをすると、かえって人が恋しくなってしまうのだろうけど。

参考図書
松岡正剛「花鳥風月の科学」
玄侑宗久「しあわせる力」