千利休

食文化と美食探訪

千利休の茶懐石(茶道長問織答抄・松風雑話)

日本の古典には美食に関する言説が見当たらない謎。フランスとの比較でそんな話を耳にして、たしかにそうだなと。日本の美食批評は明治以降か?パッと思いつく「食」について言及した日本の古典と言えば、兼好法師(...
日本の歴史と文化

手の中の宇宙、曜変天目茶碗。

結婚祝いに妻の会社から有田焼のお茶碗をいただいた。日本を代表する窯変作家、馬場真右ェ門の藍染水滴茶碗。なんとなく曜変天目茶碗に似た宇宙的な魅力がある。「窯変(ようへん)」の美。窯の中で釉薬が化学反応を...
しあわせのかたち

丿貫(へちかん)のわび茶

千利休と同世代にノ貫(へちかん)という茶人がいたらしい。戦国時代の名医、曲直瀬道三の姪婿と伝えられている。世俗を離れ、自由奔放に茶を楽しむのみ。当時の流行だった高価な茶器を集めることもせず、雑炊を焚い...
お薦めの本

筒井紘一「利休の逸話」

安土桃山~江戸時代に書かれた30冊もの茶道書から、千利休にまつわる記述を抜き出し、テーマ事に編集した本。現代語訳だけでなく巻末にすべての原文も掲載されている。情報を記憶するだけの能力ならPC登場以降、...
日本の美意識

手の中に宇宙を…利休の引き算の美学。

先日書いた記事に連環して、 人に必要な広さ(13/01/22)日本の空間感覚の異質さを千利休を例に編集してみる。利休の生きた時代(1521-1591年)は、ヨーロッパではルネサンス。ルネサンス期を代表...
古典に学ぶ人生論

数寄者は名利を求めるべからず

自分が好きで続けていることに理解者など必要ない! 「好き」と同じ読みのことばに「数寄」と書くことばがある。「数寄というは、人の交はりを好まず、身のしづめるをも愁へず、花の咲き散るをあはれみ、月の出入り...
日本の美意識

一期一会の来歴/茶人・井伊直弼

茶道を表す有名な言葉といえば「一期一会」。この来歴に意外な人物が登場するのはご存じだろうか?村田珠光 → 武野紹鷗 → 千利休 と茶道の歴史は流れるが紹鷗が茶会に招かれたときの心得として、「一座建立」...
古典に学ぶ人生論

守破離の来歴と礼讃

文化・芸能以外の分野で「守破離」を目にすることが増えたような。既存の型を守り、型を破って外に出て、型を離れて新たな型を生む。そんな「守破離」はどこからやってきたのか?世阿弥の「風姿花伝」の一節が関連づ...
日本の美意識

数寄者とは?/茶人の名言に学ぶ

意味も分からず、突然「数寄者」になりたい!と思った。「数寄」は、茶道によく出てくるようなので、茶人のことばに学んでみた。千利休「なるはなしならぬはなさず成ままにすく数寄者こそすきのすきなれ。」できない...
日本の美意識

幽玄(有限)の中に無限の美を見る

「あはれ」を調べたら、次は「をかし」へ行くのが王道なんだろうけど、気ままに日本を切り取ってるから、なぜか続けて「幽玄」が気になった。幽玄の定義付けで、一番有名なのは、鴨長明が「無名抄」で示した「詞に現...