横浜F・マリノス。近年の成績は好調だが財務基盤は脆弱。

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Jリーグのウェブサイトをいろいろのぞいていたら、
2022年7月付けでクラブチームの株式上場が解禁されていた。

海外では株式を上場しているクラブチームがいくつかあり、
マンチェスターUやユベントス、アヤックス等が上場している。

日本のチームも上場の可能性ありと言われると興味が出てきた。
前回のヴィッセル神戸だけでなく、もう少し見てみようと思う。

まずは2021シーズンは2位、2022シーズンは優勝、
今シーズンも優勝を狙える順位の横浜F・マリノス

しかしクラブ成績とは裏腹に一目で危ういことが分かる貸借対照表。

流動負債が流動資産の2倍で、純資産もペラペラという危機的状況。
また規則上、債務超過に陥ったクラブはライセンス剥奪のため、
自己資本比率が極端に低いクラブは綱渡りの状態といえる。

※現在はCOVID-19による適用停止の特例期間。2025年1月期から再開。

マリノスの財務の問題は、10年以上前の経営危機に由来する。
2007年1月期から2014年1月期まで8期連続で債務超過だった。

リーマン・ショック(2008年9月)後のスポンサー収入の減少で、
赤字が止まらず純資産のマイナス幅が広がったのだ。

3期連続赤字or単年度の債務超過でライセンス剥奪、
というJリーグのライセンス制度が設けられた時、
J1クラブで最も危機的な状況にあったクラブがマリノス。

  • 2014年1月期の日産自動車からの寄付
  • 2015年1月期のシティ・フットボール・グループ(CFG)の出資

でなんとか生き永らえたという危機的な状況だった。
その後は当期純利益が1,000万円程度で推移しているため、
純資産が大きく増えることはなく、現在の財務状況となっている。

またこの時期のマリノスの経営再建期間において、
日本のサッカー界にとって大きな損失となる出来事もあった。

世界のトップクラブと同等と称されたクラブ施設、
マリノスタウン(横浜F・マリノスMM21トレーニングセンター)
を維持することが困難となり、2016年に閉鎖・解体されてしまった。

やはり都市部のクラブチームは賃借料の負担が重かったか。。。

しかしこの20年ほどの歴史を振り返ると、マリノスは運の良いチームだ。
1999年に日産自動車にやってきたカルロス・ゴーンは、
コスト・カッターとして名を馳せた経営者だったが、
マリノスを斬り捨てず、社員のモチベーションupにつながると重視。
そしてゴーン失脚・日産の経営悪化が顕在化する2018年までに、
日産頼みの運営から脱却していたため、大きな影響を受けることはなかった。

財務的には今後も綱渡りの運営が続くが、
今のチーム成績と地道な黒字の積み上げをがんばって欲しい。

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