黒田総裁の退任会見メモ。経済は人口動態次第。

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長期旅行に出かけて、確認できていなかった黒田総裁の退任会見
この手のものは時間が経ってから振り返ると味わい深いもの。
白川総裁の退任会見はたまに読み返している。(関連記事

とりあえず今の時点で目に留まった発言をメモしておくと。

長期の潜在成長率というものは、基本的には人口の増加率と技術進歩率というもので普通は説明されるわけですね。人口の増加率はずっとマイナスで、これは続いていまして、潜在成長率が一時上がったものの、その後若干下がって15年のデフレ期とそれほど変わってないってことは事実なんですけども、これは現在のような、この過去10 年のような金融緩和を続けなければ、総括的検証その他でも示されているように、デフレが続いて、実際の成長率も更に低下し、そのもとで投資も十分行われず、当然技術進歩ももっと低かったということで、現在のような潜在成長率よりもっと下がっていたと思われますので、現在の金融政策が潜在成長率を上げられなかったということはなくて、むしろもっと下がるものが、より下がらなくて済んだということであると。」

黒田氏の功績は、日銀ができることはすべてやってみた!
という壮大な実験に挑んだことにあるのだと思う。

でも期待されていたような成果は得られなかった。
「少子高齢化」「人口減少」が足を引っ張ったことで、
落ちていく経済を金融政策で支えることしかできなかった。

だから実験の結果、国の経済の行く末は、金融政策うんぬんよりも、
人口動態次第という結論が見えた、ということになるのだろうか?

「欧米も含めて多くの経済学者は、少子高齢化は要するに労働供給が減ること、供給力が減ることですから、同じ需要であれば物価がより上がるということですので、少子高齢化がデフレをもたらしたわけでもありませんし、少子高齢化のもとで金融緩和の効果が発揮されないということもありません。それは全くの誤解だと思います。」

ただし、経済成長に関しては人口動態が与える影響が大きいが、
物価については少子高齢化がデフレをもたらしたわけではない。

たしかに今は人口動態という壁が厚く、どうにもならないかもしれない。
でも歳を取って身体は動かしづらくなっても、VR空間となれば話は別だ。
これから訪れる世界の形いかんでは、また違う景色が現れるかもしれない。

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