目をひくIR資料の条件

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統合レポートの「統合」の真意をくみ取ったエーザイ

最近おもしろかった統合レポートはありますか?と問われて、
唯一、思い出すことができたのがエーザイ「価値創造レポート2021」

この中のP53~60に掲載されている、
同社の柳CFOとコモンズ投信・渋澤会長の対談ページが、
これが本当の意味での「統合」だよね、と感じさせられる内容だった。

ESGに取り組んでいます!と主張するレポートはたくさんあるが、
ESGへの取り組みと企業価値創造を紐付け、数字で示したレポートは、
他ではあまり見かけないように思うので印象的だった。

おもしろいと感じるIR資料の条件

ここで今一度、投資家にとって普遍的な論点が何かと考えると、
それはやはり「企業価値評価」に集約されるのだと思う。
ESG関連はもちろん、特許や技術、ブランド価値のように、
会計情報に現れない、いわゆる非財務情報をどのように評価するのか。

株式投資を通じて社会全体に目を向けた時の本質的な論点がもうひとつ。
その企業に投資することは、どのような社会貢献につながっているのか。
投資は未来に対して一票を投じるような行為とも言いえるが、
その投票権はすべての人が平等に持っているものではない。
ゆえに投資に回せるお金の余裕がある者には、何らかの社会的な責任があるのだ。

この二つの論点を満たすようなIR資料に「おもしろい!」と感じるのかも。

こんなIR資料があると嬉しい

今後こんなIR資料があったらいいなと気付いたことがひとつ。

先日「ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド」に投資した。
この投信はいくら投資すると、社会にどのような好影響を与えるのか、
概算できるツールが公開されていて、これは上場企業でもできるのでは?

当社の株式を100株保有すると、CO2排出量○t削減につながります、みたいな。
数値化できる自社の取り組みを、株式保有割合で按分すればいいだけだよね。
手元にブルームバーグの端末でもあれば、自分で計算できるだろうが、
企業自身が発信することに意義があるのではないかと思う。

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