ブルドックソースとスティールの戦いが終わって約1ヶ月。
振り返って、どうなのよ?って記事がちらほら。
最新号の日経ビジネスと今日の日経夕刊コラム・十字路が目を引いた。
2つを組み合わせてまとめてみる。
今回のブルドックソースの買収防衛策にかかった費用は、
スティールからの買取総額が、21億1464万円、
財務アドバイザー報酬(野村證券)と弁護士費用(西村あさひ法律事務所)
を加えると、総額で約28億円。
これらが重しとなって、08年3月期の最終損益は9億8000万円の赤字予想。
日経夕刊コラム十字路では、赤字回避策があったとなるほどな指摘。
日本の現行会計基準では、スティールから買い取った「自己新株予約権」をそのまま消却すれば二十一億円強の損失が発生する。しかし、例えば財務アドバイザーの野村証券にいったん売却し、権利行使をして株式に換えてもらったうえで再び買い取り、自己株として消却すれば損失は発生しない。
欧米の会計基準では損失計上はできないらしい。なかなか面白い視点。
なんで赤字になる会計処理を選んだのかというと、節税のため。
約八億五千万円の節税となり、弁護士費用などに報酬払ってもお釣りつき。
コラムでは最後にこうまとめる。
今回の弁護士報酬などは回り回って国税庁、つまり国民が負担していることになる。
国を挙げてブルドックをスティールから守ってあげたともいえる訳だ。
こうして考えると、ブルドックソースはかなりの問題企業では?
しかし、それは会社のせいと言えるだろうか?
日経ビジネスでは、ブルドックソースと同時期にスティールから
TOBを仕掛けられた天龍製鋸の対応を比較対象に持ち出している。
天龍製鋸についた森・濱田松本法律事務所の対応は、
事前警告型の買収防衛策を株主総会で通し、TOBはほったらかし。
もちろんブルドックのような出費も必要ない。
結果として、スティールの保有比率は11.73%になった。
ブルドックと天龍製鋸のどちらが正解だったとは言えない、
と日経ビジネスはまとめるが、上記の夕刊コラムを組み合わせると、
もはや社会の迷惑とも言えるブルドックの対応は非常によろしくない。
スティール対策案を作成したのは誰か? おそらく弁護士だろう。
企業にとって弁護士選びはとっても重要だね。
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