平均勤続年数がより重要な指標に

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私と同世代(1970年代後半生まれ)より若い人たちには「一生同じ会社で働く」
なんて考えを持っている人は、かなり少数派だろうと思う。
一生の職場ではなく、どんな技能が得られるか?って考え方をする人が多く、
今の時代、会社は「将来の独立も見据えた修行の場」みたいな捉え方なのかな。
これに対して日本的経営の美徳が失われた、みたいに嘆く人もいるけれど、
弟子が師匠のもとで修行をしてのれん分け、って日本の伝統が蘇ったとも言える。

でもこれは会社にとっては困った傾向。
ドラッカーが予言したとおり、ポスト資本主義社会は知識社会だった。
性能がいい機械よりも、社員1人1人の知識や経験が利益を生む時代になったんだ。
競合他社と異なる独自の知的資産で利益をあげるには、社員を長期で雇用したい。
社員に長く働いてもらえるような環境が作れる会社が生き残るんだろうなぁ。

そのためにはどうすべきか?、堀場製作所の創業者、堀場雅夫氏は、
「一人ひとりが自分の人生において、自分のやっている仕事が本当に楽しい、生きがいがあるのだ、この世に生を享けてよかった、この仕事をしてよかった、というふうになってもらいたいのです。企業はその人の人生を意義ある状態で送る一つの場だ、と思います。つまり、企業が人がおもしろおかしく生きていける場を提供することが大切であると同時に、企業そのものもおもしろおかしい体質を持っていなければいけないのです。
---村山裕三「京都型ビジネス」P176

投資家の観点からすると、「自分が働いてみたいと思う会社に投資しよう!」
という文言をいろんな本で目にするけど、これは意外と正しい視点かもしれない。
また数字の面からは、四季報の平均勤続年数の推移のチェックが必要だろう。

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