現金をたくさん保有する理由

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アメリカのハイテク企業は、手元現金が多く負債が意外と少ないなぁ、
って言うのが前回の話。コメントも頂いてなんでだろ?と考えていたところ、
なんだか妙にタイミング良く、今読んでいる本で面白い記述と出会った。

ブロートン「ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場より。
ビル・ゲイツがワシントン大学でのバフェットさんとの講演の時、
マイクロソフトが多額の現金を保有している理由として、こんな話をしたそうな。

「ぼくにとって恐ろしかったのは、友人たちを雇い始めたとき、だれもが給料を支払われることをあてにしていたことだったんだ。でも、ぼくらには破産した客たちがいた-彼らは僕たちが支払いをあてにしていた客たちだった。それで、ぼくはじきに、この信じられないほど保守的な方法を思いついたわけだよ。つまり、まったく入金がなくても一年分の給料を支払えるだけの現金を銀行に預けておくという方法をね。ぼくは常にこれを忠実に実行するのさ。」

これも立派な財務戦略の1つだよね。
経営者が自分の事業を手伝ってくれる仲間のことを気遣う証。
ファイナンスの理論に毒されていると、うっかり忘れてしまう大事なこと。

日本でキャッシュリッチといえば任天堂
任天堂が手元にたくさん現金をおいておく理由は、
1.ゲームビジネスはリスクが高い
2.ソフト会社から安心してソフトを提供してもらうためのハード会社の使命
って感じだったと思う。

バフェットさんの意見に従えば、企業が内部留保する唯一の正当な理由は、
内部留保1ドルあたり、最低1ドル以上の市場価値が株主のために創造されること。
"Unrestricted earnings should be retained only when there is a reasonable prospect - backed preferably by historical evidence or, when appropriate, by a thoughtful analysis of the future – that for every dollar retained by the corporation, at least one dollar of market value will be created for owners. This will happen only if the capital retained produces incremental earnings equal to, or above, those generally available to investors."(1984年版・バフェットからの手紙)

従業員を想う経営者の気遣い、事業上の必要性、株主重視の考え方。すべて正しい。
投資家的な視点に偏ってしまいがちだから気をつけないと、と思うのだった。

おまけ
今回紹介したバフェット&ゲイツの講演の動画ないかな?と探していたら、
別の大学での講演だったけど、日本語吹き替えの動画があったよ。

気になった言葉をメモ
B「誰も責任を取らない大人数から生まれた判断は優れたものにはならない」
G「大事な決断するときに相談できる人というのは貴重な財産だと思います」

コメント

  1. ブログを拝見させていただきました。
    更新頑張っていますね。
    応援していますのでこれからも頑張ってくださいね。

  2. まろ@管理人 より:

    ふーん、とすると私のブログは月8,000円くらいの価値があるわけですね。頭の中身の覚書にすぎないものが…
    妙なところで考えさせられました。