ドコモの決算短信に「目標とする経営指標」として、
・利益性の観点からEBITDAマージン 35%以上
・投下資本効率性の観点からROCE 20%以上
が掲げられていた。EBITDAってお久しぶりな感じ。ITバブルの頃の流行だよね。
"Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization"
つまり「EBITDA=営業利益+支払利息+税金+減価償却費」ってこと。
ITバブルの頃は、赤字のドットコム企業を魅力的に見せるため、
減価償却やらいろんなものを足し込んで、投資指標に使えるようにしたんだな。
さらには大企業がこのブームを利用して、営業費用を減価償却費に付け替える粉飾。
これが当時(2002年)としては過去最大のワールドコム破綻につながっていく。
教科書的には、EBITDAは通信、電力、鉄道、航空会社など、
設備投資の額が大きい企業の本来の収益力を見る指標、なんて紹介のされ方。
設備投資に追われて、てんてこ舞いな企業ほど株価が割安、と判定されてしまう、
EV/EBITDA倍率という変な投資指標もセットで語られることもある。
※EV(Enterprise Value)=時価総額+有利子負債-現金同等物
設備投資に追われてしまう企業の問題点については、
・バフェットからの手紙1985年版・"Shutdown of Textile Business"
・ジェレミー・シーゲル「株式投資の未来」第7章
が詳しい。両者の話を簡単にまとめると、
設備投資が高水準な企業は、投資家にリターンをもたらさない。
ただし、設備投資に積極的な企業が未来を切り開くこともお忘れなく。
コメント
EBITDAはバフェット氏が株主への手紙の中でおかしいって書いてあるのを読んで以来、完全に無視しています。
やはり必要な設備投資を差し引かないでキャッシュフロー云々言うのには違和感があります。
ROCEって日本企業の経営指標として取り上げられるのは珍しいですね?
バフェットさんも手紙に書いてましたか。私の記憶からはすっかり抜けていました。何年版の手紙か覚えていたら教えて下さい。
ROCEは私もはじめてみました。ROICなら何度か目にしましたが。まぁどちらも投資指標というよりも、経営指標みたいなものでしょうね。
1989年版の「ゼロクーポン債券」のセクションと、
1986年版補遺の「株主利益とキャッシュ・フローの詭弁」のセクションですね。
でも今見直したら、バフェット氏が書いていたのは厳密にはEBITDAではなく、EBDITでした。
真のPERなんて指標も当時ありましたね?
景気がよくなるとバリュエーション的に株式投資の旨味がないから無理にでも新しい価値を付け加えるのかな?
PEGレシオなんて言葉が出てきたらいよいよ株式投資からしばらくサヨナラですな
本当だ、バフェットさんの翻訳本に載ってますね。ありがとうございます。翻訳本はどこに何が書いてあるか、ほぼ暗記しているつもりでしたが、やっぱり歳ですわ(笑)
真のPER? PEGレシオ? うーん知らない。
たぶん私はシンプルじゃないものは頭に残らない体質なのかも。恵まれている(笑)あんまり複雑にすると数字の遊びになっちゃいますしね。