「TAKE 1」の連続で、とても新鮮な気持ちになれた日々。
また同じような瞬間に、出会うことができるかもしれない。
でも、初めてのときにあったはずの、言葉には言い表せない大切な何か…
あの場所には、もう二度と戻れないんだろうな。
「わが生涯いひ捨てし句々、一句として辞世ならざるはなし。」
松尾芭蕉は一句一句が最期と思って詠んでいた…。
人との縁は一期一会だけど、文字で何かを表現するときも同じなんだ。
終わりが近いのを察していたのか、芭蕉の言葉が不思議と心に響いて、
とくに投資の話をブログで書くのは、「今日が最後かもしれない。」
そんな想いの込め方をしたら、最近、同じ話の繰り返しになっちゃった。
だから、整理、総まとめをして、いったん終わりにしよう。
株式投資をはじめて、11年くらい経った。
一途に追いかけて、税理士試験の簿記・財表やMBAの学位まで取った。
でも今、立ち止まって、投資について、私からみんなに伝えたいことは…
先月書いた「株式投資で大事な5つのこと」で、すでに完結してたんだ。
- 世の中のことをもっと知りたい。その初心を忘れずに。
- 投資リターンは人生のオマケ
- 継続すること
- 予測は願望にすぎない
- 基準は自分の内側に
1.の「初心」は、冒頭に書いたのと似たような話。
素敵なものに出会い、目を輝かせながら、どこかでまたいだ境界線。
元に戻ることはできないけど、あの頃の幸福感だけは忘れないようにしたい。
2.の「投資リターンは人生のオマケ」は、3年前の夏にブログのサブタイトルに。
直後にリーマン・ショックがあったりして、思い入れの強い言葉だったりする。
中野孝次「清貧の思想」に出会い、吉田兼好「徒然草」など古典に走る中で、
お金儲けのみを追いかけることのむなしさを、一言で表したかったんだ。
3.の「継続」は、6年前に羽生善治「決断力」と出会って以来、
「才能とは、同じ情熱、気力、モチベーションを持続すること」
という一文をくり返し引用してきた。
※直近の関連記事…投資はやっぱりタイミングが重要だけど(11/01/05)
4.は、大学院の授業(MBA)で学んできた唯一のことかもしれない。
数字と論理の積み上げで、未来の偶然を飼い慣らそうとした愚かさ。
ここ2年くらい、様々な切り口で、この問題をくり返し取り上げてきたつもり。
投資については、先週の「投資における10年の勘違い」で総まとめ。
5.の「基準は自分の内側に」は、何千年も昔から言われ続けてきたこと。
最近、読んでくれる方が極端に増えた、「富と幸福」シリーズが詳しい。
自分の外側の何か(人や指標など)と争って勝っても、むなしいだけ。
重要なのは自分がどう生きたいか。それに見合ったお金があれば十分。
ってなところで、純粋な投資の話は、いったんおしまい。
なんて宣言しちゃって、これからどこへ行くのかさっぱり分からない。
無力感と敗北感を抱きしめて、前に進もうとしたら、何が現れるのかな。
本当は年初に今後をちゃんと決めるべきだったのに体調崩しちゃってね。
結局、体重は戻らなかったけど、体の調子はだいぶ良くなったから、
あれがやりたい、これがやりたい、と思い描けるようになってきたんだ。
ブログに脳の破片を散りばめて行くうちに、新たな道が見つかると信じてる。
私が投資家であることは変わらないから、ブログのタイトルはこのままで。
よかったら、今後もお付き合いください。じゃあ、またね。
コメント
こんばんは。
まろさんもよくご存じと思いますが・・。
”守破離”の境地かと。
ワタシは、アホ学生でして、大学の講義はあまり出なかった口なのですが、この言葉だけはもう四半世紀前に聞いたのに、妙に良く覚えています。
一つのことに10年以上打ち込み、自分なりの悟りを開いたってことは素晴らしい。
投資関係の記事、いつも感心し、感服していた、ヘボ投資家のワタシです。。
次に打ち込むべき道もいつか見つかりますよ。
今後も楽しみしています。
ふと「守破離」をどう説明したらいいかな?と調べてみると、あまりはっきりしないみたいですね。
松岡正剛さんの「千夜千冊」で語る、
「守って型に着く・破って型へ出る・離れて型を生む」が一番分かりやすいかな。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1252.html
10年で1テーマ楽しめるなら、あと3つくらいは行けるでしょうか。あ、でも、次こそは、一生追いかけられるものがいいですけど(笑)
これからはじまる、セカンドシーズン(?)もよろしくお願いします。
結局さ、癌にかかって、余命3か月ですよ。って言われたところで、いままでと同じ日常生活を淡々と続けるしかないんですよね。
貯金をぜーんぶ使いきって豪遊するかヽ(^o^)って思うけど、実践はしないでしょう。
淡々と生きる。
これに尽きると思います。
昔、「男女関係は、つかず離れずの関係が<いき>」と、九鬼周造の「いきの構造」で読んだ記憶があります。まろさんの投資の記事は、まさに<いき>が感じられる内容でした。それだけに、終了宣言は残念ですが、今までありがとうございました。ブログを続けられるとのこと、愛読している者としては嬉しく思います。今後も楽しみにしています。
余命を宣告された訳じゃないけどガン疑惑をかけられ、その後に3.11の大地震。この辺を境に何かが変わって、投資の世界には真理を求めちゃいけないんだ、と悟ることができました。
「淡々と」とは行かないようです。
ちなみにこんな方もいました。
http://stojkovic.blog20.fc2.com/blog-entry-1312.html
九鬼周三…読まないとダメですよね(あー恥ずかしい)
角川ソフィア文庫からやさしめの本が出てるようなので、買って読んでみます。