ジュール・ヴェルヌ(1828~1905/空想科学(SF)小説の祖)
著作名リストを見れば(Amazonへリンク)、誰もが思い出す作家。
当時のフランスは、学校教育が無料化されるなど、教育に力が入れられた時代。
子供たちに科学や地理に興味を持ってもらうため、冒険小説で教えようって発想。
ヴェルヌ以前の月旅行に関する小説は夢物語。きまって月の住人も登場する。
たとえば、シラノ・ド・ベルジュラックの「月世界旅行記」では、
朝露の蒸発に乗って月に行ってしまう、科学的にはまったくメチャクチャ。
一方のヴェルヌの小説では、月へ行くためにはどういう装置が必要か、
という記述にページの大半を割き、発射後の記述はほとんどなかったりする。
ヴェルヌは、確かな科学的知識に裏打ちされた科学小説の祖と言える。
ハーバート・ジョージ・ウェルズ(1866~1946)
火星人の地球侵略を描いた「宇宙戦争」(1896)が有名。
この時代、火星に関する小説がブームだった。なぜ?
1840年に火星の地形図が発表され、火星観測ブームが勃発。
1877年には火星に運河発見?←溝(canali:イタリア語)が運河(canal)と解釈された。
大規模な運河が掘れるなら、高度な知能を持つ生命体がいるに違いない!
地球人よりも知能が高そうだから、頭が大きいタコ型の火星人を発想。
当時はスエズ運河開通(1869)したてで、人間にとって運河はすごく高度なもの。
三本足の機械、トライポッドもスエズ運河工事の建設機具がモデルだった。
火星人≠西洋人→黄禍(アジア人)のヨーロッパ侵略を恐れがこの小説を生んだ?
カミーユ・フラマリオン(1842~1925)
天文学の啓蒙書「大衆天文学」(1879)が大ベストセラーとなり、
同時代の多くの文学者に影響を与えた人物。
19世紀半ばにブームとなった心霊主義を信じ、科学的に解明しようと試みた。
科学の進歩による宗教的な考えの崩壊や、南北戦争での大量の死者の影響で、
心霊写真をはじめとするオカルト世界が勃興しはじめ、現在まで続いている。
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