10/26の日経朝刊にこんな記事があったね。
激変する環境を生き延びてきた老舗銘柄の株価が堅調だ。みずほインベスターズ証券が、設立から100年を経過した東証一部の43銘柄(金融除く)を指数化して2000年1月末と07年9月末を比較したところ35%上昇となった。同じ期間に東証株価指数は5%下落した。
老舗銘柄と東証株価指数の格差は、新興株式相場が低迷した06年以降に拡大している。みずほイン証は「本業を軸としつつ自己改革を続けてきた経営が改めて見直されている」(投資情報部)とみていた。
2000年1月末ってことは、ITバブルのピークの頃だから、
データの起算点にちょっと疑問が残るけど、
これだけTOPIXに勝ってしまうと、注目せざるを得ない。
去年のベストセラーに「千年、働いてきました-老舗企業大国ニッポン」
なんてのがあったね。さてこの本を読み返すと…。
世界最古の会社も日本にあり、578年設立の「金剛組」。
日本には創業100年以上の会社が10万社以上あって、
そのうち4万5千社が製造業らしい。日本はやっぱ職人の国なんだね。
ちなみにアジアの中でも老舗企業の数は日本が突出して多いらしい。
他のアジア諸国は植民地化されたり、社会主義国だったりしたから。
この本に出でくる老舗企業のうち上場してるのは、
DOWAホールディングスとエプソントヨコムだったと思う。
また著者は、老舗製造業に5つの共通項があるとまとめていて、
- 同族経営は多いものの、血族に固執せず、企業存続のためなら、よそから優れた人材を取り入れるのを躊躇しない。
- 時代の変化にしなやかに対応してきたこと
- 時代に対応した製品を生み出しつつも、創業以来の家業の部分は、頑固に守り抜いている。
- それぞれの「分」をわきまえている。
- 「町人の正義」を実践してきたこと。
そういわれると、老舗企業もいい感じ。
また数年前になんかでメモした江戸創業の上場企業一覧
(たしか2003年が江戸幕府400周年で記事になってたような…)
※ 面倒なので2003年以降のM&Aは考慮せず社名はそのまま
- 松坂屋(1611)
- 丸榮(1611)
- キッコーマン(1630)
- 小津産業(1653)
- 東急百貨店(1662)
- ユアサ商事(1666)
- 岡谷鋼機(1669)
- 三越(1673)
- 田辺製薬(1678)
- 住友林業(1691)
- 小野薬品工業(1717)
- エスエス製薬(1765)
- 武田薬品工業(1781)
- 石塚硝子(1819)
- 高島屋(1831)
- 長瀬産業、鹿島建設(1840)
- 日本紙パルプ商事(1845)
- 石川島播磨工業(1853)
- 伊藤忠商事、丸紅、かどや醤油(1858)
- 蝶理(1861)
長くなったけど最後に。
もちろん、老舗だから優良企業って話にならないのはご存知の通り。
赤福は1707年創業。300周年記念行事をやった直後に事件発覚…。
戦後間もない頃、良質な材料が手に入らないからと、
店を閉めたような良心的な会社だったのに、その後腐っていった。
コメント
老舗に投資する→儲かる、という短絡的な新聞の
読み方を戒められたのですね。うーん、深い・・・
あと、貴重な老舗一覧ありがとうございます。
今後の参考にします。
この記事を読んで、ブログ更新はやめて云々・・・
といったややこしいことはきれいさっぱり頭から消え、
僕のブログも老舗として細々と営業していこうかな
(固定費ゼロだし・・・)と思いました。笑
老舗は営業努力しなくても、勝手に商品が売れるようになったら腐敗する、
なんてこともチラっと頭をよぎりました。
バフェットさんの「堀」理論もいいのかなぁ、なんて考えたりもして…
日立金属って金剛組よりも老舗企業なんじゃないの?
ここの株価もサブプライムに影響されにくい。
それは本の著者に教えてあげないといけないですね。
ちなみに、会社のホームページ↓みると
http://www.hitachi-metals.co.jp/corp/corp01.html
1956年(昭和31年)4月10日、設立って書いてありますが、
どこの情報を元に真実を突きつければいいでょうか?
日立金属さんは老舗かもしれないけど、イメージ的には鉄鋼メーカーには珍しい研究開発、新製品創出型の会社って感じだけどね。