アンドリュー・ロー教授のAdaptive Market Hypothesisと出会い、
企業分析にも進化論的なアプローチ、っていう考えがあっても面白いかなと。
ジェレミー・シーゲル教授が「株式投資の未来」で、
成長の罠や創造的破壊と絡めて、成長株はダメって話も似たような感じかも。
なんとなく日本人なら、国内の老舗企業を追っかけてみるのが面白そうな気がした。
ちょうど去年の4月から日経新聞で、「200年企業」って連載があるから、
ここに紹介されている企業のHPを覗いて、理念とか拾ってみることにした。
鈴与(1801年創業・静岡市)
江戸時代に清水港の港湾物流で創業。現在も物流サービスが事業の中心。
理念:「共生(ともいき)」の精神で、社会に信頼される企業を目指す。
グループ会社に清水エスパルスを運営する株式会社エスパルスがあることで有名。
にんべん(1699年創業・日本橋)
1830年ごろ、日本最古の商品券を発行(かつお節型の銀の薄板)
理念:
「にんべんは、伝統と信用を基礎として常に変化に挑み、無限の可能性を信じ、顧客に満足願える仕事を通じて社員の幸福を増進し、会社の発展と繁栄を念願とする。
・顧客の立場になって仕事をする(顧客の利益)
・社員の生活向上に努力する(社員の利益)
・わが社の成長と安定に全力をつくす(わが社の利益)
この3つの利益が常に一致する経営を行うことで、より広く社会に奉仕することをわが社の経営の基本理念とする。」
金剛組(578年創業・大阪市)
現存する世界最古の企業。
経営不振で2006年1月に高松建設の子会社になり、金剛氏による同族経営終了。
子会社に株式会社中村社寺(970年創業)
理念:「常にお客様の視点で物事を考える。そのような当たりまえの事に真摯に取り組んでいくことが、数百年の歳月や風雨に耐えうる技術を磨き、本物として存続し続ける企業となれる。私達は真剣にそう考えています。」
金剛正和氏(旧金剛組・最後の社長)のことば-鮫島敦「老舗の訓」より
「うちが1400年で、私が40代目ということで計算すれば、主の1世代がだいたい35年なんです。1世代35年というのは、人生50年といわれていた時代にはとても長いと思うのです。失礼な言い方をすれば、江戸幕府264年で徳川家15代の将軍在位期間の平均17.3年です。金剛組当主の在職平均年の約半分なんです。」
…社長の在任期間の長さが老舗の秘訣?
ジャパン・フード&リカー・アライアンス(大阪二部上場)
伝統ある企業の再生支援が主たる事業。(創業家のいない企業は支援しないらしい)
理念: 食は生命、食は安心、食は幸せ、食は集い
傘下に老舗企業多数
・加賀の井酒造(1650年創業・新潟県糸魚川市)
・高橋弥次右衛門商店(1633年創業・栃木県日光市)
・盛田(1665年創業・名古屋市)…ソニー創業者盛田昭夫氏の実家
>>>つづく
コメント
老舗企業研究は面白そうですね。
日本に株式会社制度が出来るずっと前から生き残ってきた企業って凄いことだと思います。
「三代、100年潰れない会社のルール」や「100年企業、だけど最先端、しかも世界一」、「同族経営はなぜ強いのか」、「創業家物語」など何冊か読んでみましたが、創業家、企業理念、時代に適応などのキーワードはどれも欠かせない感じですね。
老舗企業のホームページに目を通してメモっておいて、後から関連図書を読みつつメモを付け加えていけば、自分なりのデータベースみたいな感じで面白いものができるかな?と思ってはじめてみました。
今回書いた記事は、日経「200年企業」連載の1と2で紹介されていた企業。この連載は現在72まで進んでいます。今年中に追いつけるかな。。。