金剛組第三十二世・金剛喜定の遺言(1802年)

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経済危機の時こそ、企業の本当の価値や魅力が見えてきたりするもの。
より長い目で、社会にとって必要な企業とは?と考えたくなるのか、
リーマン・ショックの頃も老舗企業の理念を拾い集めたりしていた。

今回も手始めに578年創業で世界最古の企業、
金剛組の三十九代目の棟梁、金剛利隆氏の「創業一四〇〇年を読んだ。

特に強調されていたのが三十二代目の金剛喜定の遺言。

三十九代目は、以下の十六の教えを
分相応の「中庸の精神」を持つことの大切さ
を説いたものだと記していた。

一、陰陽五行の定様の故実、神社仏閣から俗家まで、儒教、仏教、神明の三教の考を、よく考え、心得なさい。これが職家の第一の得意である。

一、御殿ならびに武家のことは深く考えなくともよい。その主人の好みに従うこと。

一、読書、そろばんの稽古をせよ。これは職家で一番必要なことなので、余念無く、一心に修行に励みなさい。このほか芸道は、それぞれの器量にあわせ、身分相応のことは学ぶべきだけれども、何事も、不相応な場席には立ち寄らないよう心得なさい。

一、世間の方々と交際しても、決して出過ぎることがないよう心得なさい。

一、大酒しない様に心得なさい。もし心得違いして付き合いと称して大酒などをすれば、思いかけず問題が起こる。増長すれば命を失う。よくよく見聞し慎みを持ちなさい。

一、身分以上の華美な服装はしないこと。

一、人を敬い、穏やかな言葉遣いをして、あまりしゃべりすぎない様に心得なさい。

一、配下の者、弟子など、目下の人には深く情けをかけ、穏やかな言葉で召し使いなさい。

一、なにごとも、他人と争うな。

一、仮にも人を軽んじて、大言雑言を言わないようにせよ。

一、どの人と接するにも慇懃にせよ。

一、世の中の役目には高下の差別があるが丁寧にせよ。

一、何事も諸事万端取引してくれる方々へは無私正直に対応しなさい。

一、家職を勤めるようになって、見積もり、入札等が発生したときには、その年や時節に見合った値段を聞き合わせ、莫大な値段や高下の見積もりは決してしないこと。正直な見積りを書き付け、差し出しなさい。

一、なにごとにも自身に不相応なことは、親類を集めて相談した上で、万事取り計らいなさい。

一、先祖の霊年、廻忌日、命日には怠けることなく香華を供え、仏事・供養の営みをして、時節・身分に応じた布施をするように心得ること。

ちなみに創業から1442年で今が39代目ということは、
単純計算で平均37年で代替わりしていることになる。
経営トップの在任期間の長さが、危機を乗り越える秘訣のひとつかも。

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