老舗の理念を追いかけて・5

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大七酒造(1752年創業・福島県二本松市)

酒造りの思想
「大七が大切にするのは、醸造酒としての【普遍的な価値】です。
 1.味わい深さ、力強さと洗練との両立
 2.時間によって成長する酒であること
 3.人の手と叡智を結集した酒であること
最も日本酒らしく、そして世界の醸造酒と共通の価値観を持っている“生もと造り”で、日本酒を世界に発信したいと思います。」
※「生もと造り」を実践している酒造は少ないみたい

2005年に創業250年記念事業として酒造の新社屋が完成。
投資額が約20億円(大七酒造は年間売上約10億)。

これに対する社長のことば。
「投資を数年のうちに回収できることが良い経営とされる。しかし、それでは常識的なものしかできない。当社のような規模の企業では驚きと感動を与えられない。」
---日経新聞・朝刊/2008年10月15日より

吉字屋本店(1568年創業・山梨県甲府市)

創業者・塩屋孫左衛門は、信玄の命を受けて越後に塩を受取りに行った人。
つまり、上杉謙信の「敵に塩を送る」ってあの有名な話に関係した人。

「必需品販売は地域の人々の生活を支え、代々受け継ぐ『利より信をとれ』の精神の体現。これからも必需品に絞った経営を貫く。」
by 高野孫左ヱ衛門会長/日経新聞・朝刊/2008年10月29日より

「うまくいっている老舗は、不思議と三世代同居という経験を積んでいる。後継というのは、一種の文化のような感じすら持っています。跡継ぎなんてことを言われなくても、三世代、あるいは多世代同居をして、祖父母や両親、叔父や叔母たちの姿を見て育つと、不自然な形ではなく、後継になっていくという文化がある。」
by 高野総一社長/野村進「千年、働いてきました」P214より


いわゆるMBAで経営学を学んでみたが、なんだかしっくりこない。
この分野は主にアメリカでの研究が世界に発信されているようだ。

でもアメリカって国自体が、創立約230年程度と若い国だから企業も若い。
だから、これから事業をはじめるなら、って観点での話に偏っている?
日本の老舗を丁寧に研究すれば、違う景色が見えるかもね

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