リレー連載企画「本日のスープ~株式投資をめぐる三重奏~」。
rennyさんからのご寄稿コラムです。
前回の私の番 で
「日本国内の投資信託ってどう思いますか?」とお尋ねしてみました。
これに対して、まろさんは
と応じてくださり、それを受けてm@さんが
と続けてくださいました。「投資信託ってステキな仕組みなんだ」という想いが共通しているように感じます。また同時に「ステキな仕組みなんだ、だけどねぇ、なんだか残念だなあ」という共通の想いも感じられます。この点に関して、私もまったく同じ意見です。
投信協会は定期的にこんなデータを更新しています。
2013年12月末、米国の投資信託の残高はUS$15,017billion であるのに対して、日本はUS$774billionということです。なんと市場の規模は彼の国の約20分の1なんですね。米国は確定拠出年金の普及がこの規模拡大を後押ししたとは聞きます。日本も確定拠出年金の普及が進みつつあり、一定程度の規模拡大は見込めるかもしれません。しかし、日本の投信市場は、機関投資家が積極的に投資しようとしない信用格付けの低い債券を主な投資対象にしているファンドが1兆円を超える資金規模になったり、と不可思議な現象が起こる、まるでガラパゴスです。
まろさんは「時代遅れの投信業界を目覚めさせたい」で投信を設定、運用する投信会社の問題を、m@さんは「わかりにくい仕組みのままハードルを下げた投資信託」で販売会社の姿勢や販売手法の問題を指摘されています。商品を提供する業界側の問題は根深いものがありますが、投信に実際にお金を投じる投資家にも大きな問題があるように感じています。
「投信会社、販売会社、投資家、誰が最初に変わるべきか」ということかと思います。私の個人的な考えは、何よりもまず変わるべきは投資家だ、というものです。
「本日のスープ」ということで料理に喩えてみます。
投資信託を料理に見立てると、投信会社は料理人です。素材を選び、それを如何に料理するか。多くの投信会社が料理の中身そのものをしっかりと説明できていません。誰が料理しているのか、どんなお店で修業を積んだシェフなのか、分からない料理がほとんどなのです。
料理人が調理した料理をお客さんの好みにあわせてその特徴、食べ方を伝えるのがギャルソンの仕事です。本来、投資信託の販売会社はこのような役割を果たしてこそ存在意義があるのですが、大手ネット証券は料理の中身は問わずただ数を並べれば良いというような振舞いです。
さて、投資家です。キチンと料理を味わう舌を持っていますか?というよりも、料理を味わおうという意志を持っていますか?ということです。
真摯に調理する料理人がいて、その素材選びや調理内容含めて料理を味わうお客が増えてくることが、豊かで多様な食文化を育てることにつながってきたと思います。
投資信託も同じではないでしょうか。
投信会社はファンドに組み入れた会社(=素材)やその配分(調理法)を真摯に説明する、一方で、その内容に関心を持って向き合う個人投資家が「舌」を鍛える。
このような関係が深まり、広がることで、投資信託にも「文化」が発現するのだと考えています。
こうした流れを生むために何かできないものか、と一人の個人投資家として考えています。
renny
以上のコラムを受けて私が用意した15皿目はこちら。
インデックスファンドをファーストフードに見立てて。
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