お寿司系のお弁当に必ず入ってる緑色の「草もどき」。
橋などで見かけるコンクリートに着色した「樹木もどき」。
ふと気がつけば「自然もどき」が身のまわりにあふれている。
私たち日本人の自然の愛し方は実にヘンテコだ。
花の色は うつりなけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
花にそむ 心のいかで のこりけむ 捨て果ててきと 思ふわが身に
小野小町と西行が「花」を詠った平安時代の名歌だけど、
ここでの花は「人生の花」や「無常の花」であり「心の花」。
そういえば花そのものを素直にめでる感覚が意外と希薄。
室町時代でも世阿弥が「風姿花伝」に描いた花や
枯山水庭園に見られる引き算の自然観も変わっている。
日本人は好んで自然を思考や感覚に取り入れてきたが、
本物の自然を愛する、ということは意外と少なかったような。
地震、台風、火山など自然災害の多さが影響してるのかな。
そんな文化史がめぐりめぐって今、自然もどきがあふれてる?
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