企業の成長を後押しするESG/本日のスープ77皿目

リレー連載企画「本日のスープ~株式投資をめぐる三重奏~」。
m@さんからのご寄稿コラムです。
※直近のダイジェスト(65~70皿目)はこちらをどうぞ


企業が上場すると手に入れるものと手放すものがあります。

手に入れるものは「資金」。株式を買った人から新たな資金を集めることが出来ます。

手放すものは会社の「所有権」です。株式という会社のオーナーとしての権利を株式という形に分割して出資した人達で分け合うことになります。

会社は誰のものか?という議論はたびたびありますが、会社のオーナーは誰か?という質問であれば株主という事で異論はないと思います。ただ、会社のオーナーが誰であったとしても、会社や従業員をオーナーの好きにしていいわけではなく、取引先やお客様、地域に対してもよき隣人であることが社会から求められます。そうしたものを数値化したものがESG要素ではないでしょうか。

前回、rennyさんが「上場審査にESGを!」と書かれましたが、株主はお金を出した以上、金銭的なリターンを求めるのが一般的だと思います。例外的に株主優待や株主になることそのものに価値を見出す株主も一部にはいますが、多くの場合が金銭的なリターンを上げるために株式を買っていると思います。

先日参加したインパクト投資のセミナーで、ある上場企業の方が守りのCSR、企業としての重点的な攻める要素としてのCSVという話をしていました。

企業が成長していくための一つの要素としてESG要素も組み込まれていますが、全ての要素でまんべんなく高い水準を求めるのではなく、事業にとって効果的な部分により重点的に取り組む事で社会的な利益と会社の利益を無理なく実現していました。

実際に企業のESGスコアとROEを縦横軸においてプロットすると高ROE+高ESGスコアな企業のリターンが高くなる傾向があるのですが、更に分析すると企業のリターンを高めるESG要素は業種によっても異なるという調査結果があります。

CSRランキングなどでは総合スコアで順位づけされますが、企業の成長にとって意味のあるESG要素に重点的に取り組む事を株主から求められる時代が来るかもしれません。

いい投資探検家:m@(エムアット)