清原達郎「わが投資術 市場は誰に微笑むか」の第8章で、「やってはいけない投資」としてESG投資があげられる。
清原さんは「E(Environment)」の議論を批判し、その一例としてマイクロプラスチックによる海洋汚染をあげる。
「ウミガメに刺さったストロー」で一時あれだけ騒がれたマイクロプラスチックの話ももう聞かなくなりました。マイクロプラスチックの主要な発生源はどうやら洗濯機の排水だということがわかってきたからでしょう。ボリエステル繊維などの合成繊維から微小の粒子が無数に発生するのです。今更、「洋服や肌着に合成繊維を使うな」とか「洗濯するな、洗濯しても排水を流すな」とも言えないものですから、「マイクロプラスチック」の議論は消えてなくなりました。最初から大した問題ではなかったということなのでは。(P283)
洗濯機の排水が原因って本当なの?と調べてみると、たしかに環境省のウェブサイトに解説ページがある。
おそらくこれに関する調査を続けている科学者に尋ねたなら、現段階ではどんな影響があるのか正確に解明できていないだけで、問題が解決したわけではない!と怒りのコメントが届くだろう。
でも投資家と上場企業との対話の中で、今一番、注目されている話しやすいテーマだけを取り上げて、実態が明らかになり、手に負えなくなると取り下げる。そんなことをしていたら信用を失っていくだろうね。
だから清原さんのような投資家には、
パフォーマンスの悪いアクティブ運用のマネージャーがクビにならないためにESG投資にしがみついているように私には見えます。
たしかに声高にESG投資を掲げるのには違和感はあるかな。
長期の視点で投資先企業を選んでいたら、ESG評価の良い企業を集まったポートフォリオができていた、みたいな投資であれば納得感はあるんだけどね。(そしてESG的にダメな投資先を見つけたら売却もしくは対話)
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