長命寺。古来より続く琵琶湖の絶景。

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長命寺。縁起の良い名称だ。

現在は車で途中まで登ることができるため、参拝は簡単だが、
本来は808段の石段を登らなければ本堂にたどり着けない。
かつては自分の足で登り切ることができるかどうかで、
自らの健康と長寿への期待を持てたのかもしれない。

また古来より長命寺から見た琵琶湖が絶景として讃えられており、
室町時代の禅僧、景徐周麟(けいじょしゅうりん、1440~1518)が、

瀟湘八幅其の図案ずるに、

長命寺の前天下に無し。

一景新たに添う有る声画、

袖中に携えて琵琶湖を去る。

中国の名勝、瀟湘八景と比較して、琵琶湖の景色を讃えた漢詩を残している。

あくまで昔の話で今はそんな絶景は期待できないだろうと思っていたのだが、
思いがけず美しい景色が広がっていた。

寺名の縁起の良さと景色の良さで寄進が集まりやすいのか、
室町時代に建てられた本堂や三重塔もきれいに残されていた。

ところで長命寺という名称は、
「古事記」や「日本書紀」に登場する武内宿禰がこの地で長寿を祈り、
この地の柳の木に「寿命長遠諸願成就」と彫ったことに由来する。

ちなみに武内宿禰とは景行天皇から仁徳天皇までの5代の天皇に仕えた、
ということになっている、神話ならではの意味不明に長寿の人物だ。

もちろんこの時代には日本に仏教は存在しないわけで、
この手の信仰の地には必ず登場するのが「巨石」。

長命寺にもやはり磐座が鎮座していた。

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