ブロックチェーンと深層学習(ジャパンタイムズ先端技術フォーラム)

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昨日参加した講演会のメモ。

資産運用の手段としての仮想通貨には興味がないが、
最新技術を体感しておいた方がいいな、
と思い、さっそく口座開設の手続きをしておいた。

栢森加里矢「ブロックチェーンがもたらす社会変化と世界の潮流」

登壇者は仮想通貨取引所「Liquid」のリキッドグループCEO。

ブロックチェーンはこれからの社会インフラ

インターネットが実現できなかったのが「信頼性」。
これを解決するのがブロックチェーン技術である。

ブロックチェーン技術は現段階では「仮想通貨」のみに適用。
インターネットは発明からNetscapeまでに35年、
そこから20年が現在地であることを考えると、
ブロックチェーンが広まっていくのはまだまだこれからだ。

日本は仮想通貨先進国

日本はマウントゴックス事件が起きたおかげで、
世界で初めて仮想通貨を法令化した国。今でもG20の中で唯一。

これまでは資金決済に関する法制度のみだったが、
ちょうど講演当日、金融商品取引法が改正され、
証券型トークンについても法整備が進むことになった。

仮想通貨の可能性

価格の変動が注目を浴びるビットコインが真に有益なのは、

  • 世界中でリアルタイムに送金が可能(銀行の定休日は関係なし)
  • 現地通貨が不安定な国での価値保全(新興国の関心が高い)
  • 発行上限が決まっている希少性(リーマン後の通貨安戦争の中での注目点)

Liquidで取引をしている顧客の7割が35歳未満。
一方の既存の金融機関の顧客は平均年齢65歳で、
65歳超の預かり資産が9割を占めている。
将来的にどちらが優位になるかは明らかでは?

榊原彰「深層学習技術の産業応用がもたらすもの」

登壇者は日本マイクロソフト執行役員CTOで、
マイクロソフトディベロップメント代表取締役社長。

AIがすでにできること

画像分類・音声認識ではすでに人間を超え、翻訳は人間と同等。
これを使って具体的に何ができるのか?

  1. 物体認識×領域分割×場面解析
    → Seeing AI (iOSアプリ) 人の眼の代わりとなり状況をナレーション。
    (全盲の人はおつりを騙されることが多いがその心配がなくなった。)

  2. 音声認識
    → マクドナルドのドライブスルーでオーダー表の作成

  3. 統計的な機械翻訳×ディープラーニング
    → ブラウザ「EDGE」や「Office」のブラグインに搭載。
    (機械翻訳は英語と文法が近い言語のみ翻訳精度が高かった。)

現状ゲームの世界では人間はAIに勝てない。(囲碁・将棋・クイズ等)
シミュレーションで学習させることにより、2025年には自立システムを。

AIの課題と解決への取り組み

白人の写真データばかりを学習していた顔認識AIが、

  • 黒人にゴリラのタグをつけてしまった(Googleフォト)
  • 細めのアジア人に目を開けと忠告した(ニュージーランドのビザ)

データの盲点を埋めるために、
日本固有のデータを集め、公開する仕組み「AIデータ活用コンソーシアム

世界的にはAmazon、Facebook、Google、IBM、Microsoftが立ち上げた
人工知能のあるべき姿を検討する「Patnership on AI」がある。
日本企業の参加はソニーのみで、日本の倫理観が反映されづらい恐れ。

MicrosoftはAIのあるべき姿や社会的課題に対する見解をまとめた
Future Computed:人工知能とその社会における役割」を公開中。

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