ESG投資が普及していくことは、基本的にはいいことだと思う。
でも上場企業の手間が青天井に増えていくのが気がかりだ。
気がつけばESG情報開示基準はこんなにあるらしい。
- 国際統合報告フレームワーク(財務・ESG)
- GRIスタンダード(ESG)
- SASBスタンダード(ESG)
- TCFD最終提言書(気候変動に特化)
- 価値協創ガイダンス(財務・ESG/経済産業省)
- 環境報告ガイドライン(E)
- 有価証券報告書(財務・ESG)
- コーポレート・ガバナンスに関する報告書(G)
こんなにたくさん理解し、反映するのは不可能だから、
上場企業のIRは外部のコンサルに頼らざるを得なくなる。
だがこの案件、コンサル地雷を踏んだ時の展開に似ている。
- 企業の業績や評価は論理的に説明ができると過信し、やたらと評価指標を増やして、顧客企業に無駄な仕事を押し付ける。
- 未来予測を元にして現在の行動の改善を提案するが、予測できる未来像に限界があり、企業の独創性を奪いかねない。
乱暴な言い方をすれば、オカルト科学に騙されるのと大差はない。
このままでは投資家がESG投資を推進すればするほど、
無駄なコンサルフィーが膨らむことで、従業員の給料が削られ、
そしてもちろん株主利益の毀損にもつながるに違いない。
さらには将来有望な企業も上場に魅力を感じなくなるだろう。
GPIFのウェブサイトに掲載された調査報告書によると、
- ESGに関する情報開示についての調査研究 報告書(ニッセイアセットマネジメント)
Corporate Reporting Dialogueという団体が、
2018年11月からBetter Alignment Projectの開始。
氾濫するESG情報開示基準の共通点・差異を明確化し、
重複する部分は整合性を高めていく計画だという。
ただ視点を変えれば、投資家側からの要望にも問題がある。
企業の「質」を「数値」に置き換えて企業間比較の分析をしたい、
つまりは投資家が自分たちの手間を投資先に押しつけているような…。
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