会計トリックスター・ゴーンの失脚は必然

この記事は約2分で読めます。

十数年来どう評価すべきか悩みのタネだったカルロス・ゴーンの会計操作。

リバイバルプランの会計演出

ゴーン就任直後の1999年3月期から2000年3月期のV字回復は、
会計操作による演出だった話は、たびたび紹介してきた。

会計を仕事していた時期もある私にとって、許せない手法だったが、
今年になって危機から目を背けがちな人の性を考えればありだったのかな?
というような論調に変わっていたのだが…。

いったん会計操作に手を染め、味をしめると、歯止めが効かなってしまう。
というのも人の性だからこそ、初期の段階で弾劾されるべきとも言える。

差額の役員報酬はどこに計上されているのか?

今回の役員報酬を少なく計上するというのは一体どうやったのか?

日産から資金がなくなったことは確かなのだから、
簡単な仕訳でいうと「○○○/現預金」(※本来は○○○が役員報酬)。

○○○が貸借対照表か損益計算書のどこかに隠されているはずだ。

  1. 同時に逮捕されたグレッグ・ケリーの役員報酬にゴーンの取り分が混ざっている?
  2. 無形固定資産等の資産に混ぜ込んだ?

代表取締役のグレッグ・ケリー氏は勤務実態のなかったとの話もあり、
1. の会計処理をした可能性が高いのではないだろうか。

自らの報酬を2人分に分けて払うことで小さく見せて、
名義を借りたケリー氏には手数料としてある程度の金を渡すという手法。

2. の手法になると、過去の決算の修正はもちろん、
監査を担当した監査法人が加担は明らかで、事件はより大きくなる。

ただ役員報酬の問題とは別で、
昨晩の会見で「私的な目的で投資資金を支出」との発表があり、
資産価値のない資産が「投資その他の資産」に紛れているはず。

今期の決算で特別損失が計上されると見て間違いない。

日産にとってはルノーと手を切る絶好機?

かつてはルノーからの出資によって救われた日産だったが、
逆に今では落ち目のルノーが日産が頼みという状況。
しかし日産株の約43%をルノーが握り、ルノーの筆頭株主はフランス政府。

かつてホリエモンに狙われたニッポン放送(フジテレビの筆頭株主だった)
に似た構図で、日産にとってはモヤモヤする状況だったのでは?

日産にとってはルノーと手を切る絶好機と考えることもでき、
長い目で見るとゴーン失脚は悪材料ではないのかもしれない。

コメント