過去は美しく見えるものだから

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そういえば羽生善治さんが七冠達成したのはいつ頃だったかな?
ふと思ったので、ついでに年度別のタイトル数の推移を調べてみた。
111113
そうか頂点はもう十数年近くも前の話なんだね。
七冠をとった頃、米長邦雄さん(現在の将棋連盟会長)に戒められた話が、
羽生さんの著書「簡単に、単純に考える」(P228)で紹介されている。

(七冠を釣った鯛にたとえて)
目の前に置いてじっと見ていても、すぐには何も変わりません。だから大事に持っているでしょう。だけど、間違いなく腐ってしまう。どうして腐るかというと、時が経つからです。時が経つと状況が変わってしまうのです。だから今は最善だけど、それは今の時点であって、今はすでに過去なのです。

私たちは「あの頃はよかったなぁ」と感慨にふけりがち。
選ばなかった過去の選択肢に、よりよい今を描いて後悔してみたり、
過去の成功体験に縛られて、身動きが取れなくなってしまったり。。。
過去は美しく見えるものだから、魅了され、骨抜きになってしまう。

時は流れる。無常迅速に。
だから過去にとらわれず、挑戦し続ける。
こんなところが、羽生さんが勝負師として長く活躍してる秘訣なのかな。

『幸せ』とは何か。それは、日々の生活が充実していること、そして何か発見があること、面白さがあることだと私は考えています。つまり幸せとは、一箇所にとどまって、「これで幸せ」というものではなく、現在進行形で動き続けているもの、変わり続けているもの。変わり続ける中で、新しい発見があるもの。やりがいを感じることや充実感があることを見つけ続け、探し続ける、そのプロセスです。
---羽生善治「結果を出し続けるために」P195

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