日本には国家戦略がないからダメ、みたいな話をよく見聞きするけど…。
この国の歴史を俯瞰したとき、戦略らしいものが存在した時代はあったのかな?
「世界のどんな国民よりもふらふらきょろきょろして、最新流行の世界標準に雪崩を打って飛びついて、弊履を棄つるが如く伝統や個人の知恵を棄て、いっときも同一的であろうとしないほとんど病的な落ち着きのなさのうちに私たちは日本人としてのナショナル・アイデンティティを見出したのです。」(内田樹「日本辺境論」P30)
一貫性がないのが日本の特徴であり、
松岡正剛氏の言葉を借りれば「一途で多様な国」だから日本はおもしろい。
なぜ、日本がこのような特徴を持ってしまったのか考えれていくと、
やはり日本がおかれている自然環境の影響かな。台風や地震、火山…。
自然災害でいつかバラバラになってしまうのだから、と将来のリスクに無為無策。
実際に災害が起きると、「せつない」「はかない」と嘆いて受け入れてしまう。
打たれ弱いのか、打たれ強いのか、これまた一貫性が感じられず、
そして、その背後に見え隠れするキーワードが「無常観」。。。
また和辻哲郎氏は著書「風土」の中で、台風を絡めながら、
日本人の国民的性格を「しめやかな激情、戦闘的な恬淡」(P205)と評しており、
やはり一貫性がなく、境界線で揺れているような表現になっている。
日本はこんな風に、一貫性がないから、長期の戦略を作るのが苦手。
ちょっと話は飛ぶけど、だからこそアメリカは日本にとって重要なパートナー。
能力を補い合える人との関係って、とっても大事じゃない? あれと一緒だよ。
他国と比較して、○○ができないから日本はダメなんだ、じゃ前に進まない。
まずは日本がどんな国なのか理解して、できること、できないことを仕分けする。
もし国家戦略を作るなら、日本の歴史・文化に精通する人を加えてみてはいかが?
コメント
「まずは日本がどんな国なのかよく理解して、できること、できないこと」
「国家戦略を作るなら、日本の歴史・文化に精通する人を加えてみては」
世界を知って日本の強みを再認識している人が良いですね?
原丈人さんを思い浮かびました♪
一貫性が無い事が一貫している、いや一見一貫性が無いように見えて全体の調和として一貫している。ん~表現が難しいけどこんな感じじゃないだろうか。まるで、人を全く説得しようなどと思わない姿こそが一番説得力あるように。
そして、こういう事を国に求める前にそれを構成する会社なりいろんな組織。そして、さらにその前にそれを構成する一人一人の人間に。
今日このネタでレポートを提出したら「これを書いたのは日本人じゃないだろう」と教授から妙なツッコミが来ました。今思えばあそこで「ハイ、火星人です」と返すべきだった。。。
なるほろ「一貫性がないことに一途」みたいな感じですね。
日本のおもしろさって、相反するものがDNAのらせん型みたいに同時に走ってるようなところにあるのかも?
原丈人さんもそういえば政府の何かの委員やってましたね。でも政府の発表する戦略関係のレポートって…、あとで記事を書こうっと。
最上級の誉め言葉ですね。正に、日本人として…なんて事を全く意識してないどころか、棄てまくってるように見える。武士道の最後のとこじゃないが、香りとして漂う。
本人があまり意識し過ぎるとその香りが弱まるとダメなのでこれにて。
自分と閃きの泉が近いのでとてもおもしろい。それをかなりのパーセントで表現出来る存在に感謝するのはこっちの方です。
私は、日本から一歩も外に出たことがありません。
しかも最近、なんだか日本にこだわらなきゃいけないような切迫感があって、人一倍、日本を意識しているつもりだったりします。
なんだか不思議ですね。