長らく続いた日本株の上昇はそろそろ終わりでは?
そう感じさせる出来事がこのところ続いている。
3月30日に日本取引所グループ(JPX)からこんなリリース。
このところ新規公開会社の事件が相次いでいる。
思い当たるものでは、
- gumiの上場3ヶ月で業績下方修正(2015年3月)
- エリナスの粉飾決算(2014年12月)
- みんなのウエディングの架空売上計上(2014年11月)
こうした事件を受けてのJPXの発表した対応は、
- 新規公開会社の経営者による不適切な取引への対応
- 経営者の不適切な取引について、上場審査を強化
- 上場申請会社の経営者・社外役員等に対して、不適切な取引防止のための啓発セミナーを実施
- 上場直後の業績予想の大幅な修正への対応
- 上場時に公表される業績予想について、前提条件やその根拠の適切な開示を要請(上場直後に業績予想の修正開示を行う場合には、それらに関する特に丁寧な説明を要求)
- 上場時期の集中への対応
- 上場予定時期について、東証における集計及び周知を通じて全体日程を共有し、集中緩和を要請(昨年は、年間計80社のうち28社の上場が12月に集中)
また同時に日本証券業協会や日本公認会計士協会に対し、
新規公開の品質向上に向けた対応を要請している。
以上を受けて古典的名著の一節を思い出す。
「上昇相場の中ごろから新規公開が始まり、その価格はそこそこ魅力的なものであり、初期の公開株式を買った人は大きな利益を手にすることができる。相場上昇が続くと、この種の株式が相次いで公開され、それにつれて上場する企業の質が次第に下がってくる反面、公開時の売り出し価格は法外なほど高くなる。上昇相場の終焉を示す確かな兆候の1つとして、得体の知れない小企業の株式が、株式市場において長い歴史を持つ中堅企業の株価よりも高値で売り出されることがあげられる。」
ベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家」の第6章。
もうひとつ第20章からの引用も加えておしまい。
「長年の経験から分かっていることは、投資家が最大の損失を被るのは、好景気下で優良とはいえない証券を購入したときだということである。このような買い方をする人々は、直近の高収益がその企業の収益力であるととらえ、また、業績が好調であることが安全性であると考えている。」
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