ヘレン・ケラー「3日間だけ目が見えたなら」

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ヘレン・ケラーが『The Atlantic Monthly』によせたコラム。

"Three days to see"(3日間だけ目が見えたなら)

原文のローマ数字の2以降が本題。

もし目が見える日があと3日間だったら、あなたは何を見たいですか?

って問いかけから始まる。

彼女が最初に見たいのは、やはりサリバン先生で、

それもただ見つめるだけではなく、

I should like to see in her eyes that strength of character which has enabled her to stand firm in the face of difficulties, and that compassion for all humanity which she has revealed to me so often.

そして3日目の最後に見たいものは意外にも劇場でコメディ。

I should run away to the theatre, to a hilariously funny play, so that I might appreciate the overtones of comedy in the human spirit.

途中、目が見えることに対する印象的な表現が

I do not know what it is to see into the heart of a friend through that "window of the soul," the eye.

目は心の窓(window of the soul)である、って一節。

私たちは自分自身さえも正しく理解できない生き物じゃない。

だから他者の瞳の奥にある自己像に頼りたくなってしまう…。

もちろんヘレン・ケラーの意図とは違うだろうけど、

目が見えることによる心のやり取りで重要なのはココなんだろう。

Use your eyes as if tomorrow you would be stricken blind.

スティーブ・ジョブズの「今日が人生最後の日だとしたら」は重いが、

ヘレン・ケラーの「今日が目の見える最後の日だとしたら」なら、

多少は意識して生きていくことができるだろうか?

このコラムの最後は目が見える人へのアドバイス。

Make the most of every sense; glory in all the facets of pleasure and beauty which the world reveals to you through the several means of contact which Nature provides. But of all the senses, I am sure that sight must be the most delightful.

与えられた五感すべてを使って、世界の喜びや美を感じ取るべし。

でもきっと目が見えることが一番素晴らしいことに違いない。

とコラムは締められる。

たしかに「もし目が見えないとしたら?」と考えるとゾッとする。

サッカー観れないし、本も読めない、ご飯も美味しさ半減…。

「大切なものは目に見えない」なんてのはとぼけた話ってことだね。

コメント

  1. 赤大将 より:

    サリバン先生を見たいというのは予想通りなんだけど、
    その瞳への憧憬の思いがすごい。やっぱり見えないだけに
    憧れがより一層強かったのか、気持ちの強さ・弱さが目に
    よく顕れることを知っていたのか。考えさせられる一節
    ですね。
    なお、英語苦手なため、このくらいの英文読むのにGoogle翻訳
    利用(笑) 構文は無茶苦茶に訳されるけど、単語の意味は理解
    できるので訳を見てから原文見るとすんなり理解できる。便利に
    なったものです。
    ところで、もし目が見えなくなったら…(((( ;゚Д゚))))
    あぁ、楽しみが一気になくなってしまう!!!!
    「大切なものは目に見えない」より「大切なものは目によく
    見えてるから、当たり前すぎて気づいてない」のかも。

  2. まろ@管理人 より:

    ちなみに「大切なものは目に見えない」は星の王子様に出てくることば。
    「大切なものは目によく見えてるから、当たり前すぎて気づいてない」に似た話は、
    “Acres of Diamonds”
    http://www.temple.edu/about/history/acres-diamonds
    と意地悪で英文を紹介してみたり(笑)
    裕福な農民がさらなる富を求めて、ダイヤモンドの鉱山を探す旅に出た。でもどんなに探しても見つからず、絶望して海に身を投げてしまう。その後、彼の土地を購入した人が、広大な土地に流れる川でダイヤモンドを発見した。
    大切なものはあなたのすぐそばにあるんだよ。という話です。