この親(原信太郎)にしてこの子(原丈人)あり!

昨日、横浜の原鉄道模型博物館に行ってきた。
鉄道模型製作・収集家の原信太郎氏のコレクションが収められた博物館。
こだわり抜いて作られた鉄道模型はただのミニチュアではなく、

  • 鉄のレールと鉄の車輪により本物の走行音を再現し、
  • パンタグラフから架線を流れる電気を取って走り、
  • 加速した後に惰性の力で走行できるよう、歯車はすべて本物と同じ駆動ギアで

巨大ジオラマを疾走する姿を見ることができた。

原鉄道博物館ジオラマ

ちなみに原信太郎氏の長男がベンチャーキャピタリストの原丈人氏。
10年前にベストセラー「21世紀の国富論」を読まれた方も多いだろう。

信太郎氏こだわりの鉄道模型やその生涯を知ると、
審美眼や本質を見抜く目みたいなものは、
親から子へと受け継がれるものなのかなぁと感じさせられる。

信太郎氏の祖母にあたる人が素晴らしく、

小学生で高価な舶来のおもちゃを買ってもらっていたのですが、これは現金で買うわけではありません。ツケです。祖母がおもちゃ屋に話をつけていて、欲しいおもちゃはツケで買えるように話してあったわけです。・・・えらく高いおもちゃもありましたが、祖母は安物を買うなど馬鹿馬鹿しいと、むしろ高価なおもちゃを買うのを奨励してくれました。
---原信太郎「スーパー鉄道模型 わが生涯道楽」P70

えらく高いおもちゃというのが、アメリカのライオネル社の鉄道模型。
当時の価格495円。現在の貨幣価値で250~500万円!
さすがにツケでは買えず、3ヶ月かけてお金を工面してくれたらしい。
博物館にもその現物が展示されていた。

しかしその投資が実る時がやってくる。
鉄道技術を学びたいがために東工大の機械科に入学した信太郎氏は、
太平洋戦争の開戦直前に、整備工場でフォードを見たことで、

おじいさん、フォードのV8エンジンを見ましたが、アメリカの技術はすごいです。日本のエンジンとは比べ物になりません。もし、日本がアメリカと戦えば、必ず負けるでしょう。日本が負ければ、第一次大戦後のドイツのように、紙幣は紙くずとなります。銀行へ預金していても、無価値になります。東京も戦禍を免れないでしょう。お金は外貨に替えて、東京を離れるしかありません。
---原信太郎「スーパー鉄道模型 わが生涯道楽」 P103

家長の祖父にこう薦め、一家は日本円を米ドルに替えて東京から移住。
上記の鉄道模型の元を取って余りある恩恵を原家にもたらしただろう。

そして戦後は鉄道模型づくりを通じて身につけた技術を元に、
コクヨで世界初の全自動倉庫はじめ、次々と発明品を世に送り出した。

好きなことを貫き通すことで道が開けていく…。
丈人氏の講演会は2,3回聴いたが、すごく楽しそうに未来を語っていて、
こっちもワクワクして時間が経つのを忘れるほど魅力的な内容だった。
父親がこういう人と知ると「あ~、なんか分かる」って納得する。
原丈人氏に関心をお持ちの投資家さんは原鉄道模型博物館へぜひ!


オマケで今回、博物館を調べたときに気が付いたんだけど、
今はGoogleでこんなのが出るようになったんだね。

みんなのスマホのGPSを収集して解析した結果だろう。
Googleに蓄積された私たちの行動データがスゴいことになってきた。

この手の戦略に積極的な日本企業はソフトバンクくらいかな。
ペッパーを家庭内に送り込んでデータを収集するような。

個人情報を提供して便利を手に入れる時代が着々と進んでいる。
その良し悪しは分からないが、もう立ち止まることはできないのだろう。