西行、中秋の名月を詠う(山家集)

今年2014年は中秋の名月が9月8日なんだって。
旧暦8月15日の満月だから現在の暦と微妙にズレる。
例年は9月中旬~10月上旬だけど今年は特に早い。

西行の「山家集」を探してみると、
中秋の名月を題材にした和歌が8首あった。

秋はただ 今宵一夜の 名なりけり
同じ雲居に 月はすめども

中秋の名月ただ一夜のみが秋の名に値すると。
この日の月が特別だったことがよく分かる一首。

天の川 名に流れたる かひありて
今宵の月は ことに澄みけり

秋の天の川は特に澄んでいると有名だが、
今宵の月もまた格別に澄みわたっているよ。

天の川は夏のイメージでなんか不思議だったので、
9月8日21時の星空を検索してみるとこんな感じ。
ステラナビゲータ体験版を使用。
140908星空

南東に月。南から南西にかけて天の川が流れる。
もちろん毎年、澄んだ月が見られるというわけではなく、
天候に恵まれない年もある。次はそんな一首。

月見れば 影なく雲に つつまれて
今宵ならずば 闇に見えまし

月を空に探しても、雲につつまれて姿が見えない。
今宵が十五夜でなかったら、あたりは一面闇だろう。
月の光が大切な明かりだった頃ならではの一首。

最後に西行らしい一首を紹介しておしまい。

うちつけに また来ん秋の 今宵まで
月ゆえ惜しく なる命かな

来年の秋もまたこの月を見たい。
月のためにこの命が惜しく感じるよ。