付き合う金融機関で運用損益がこんなに変わる!

森信親氏が今年7月に金融庁長官を退任。

私の中での森長官のイメージは、金融機関の悪しき慣習を糾弾し、
一般市民が資産形成を行う環境を改善しようと尽力してくれた人。

とくに2017年4月の業界関係者に向けた講演は痛快で(金融庁サイトに講演録あり)、

「正しい金融知識を持った顧客には売りづらい商品を作って一般顧客に売るビジネス、手数料獲得が優先され顧客の利益が軽視される結果、 顧客の資産を増やすことが出来ないビジネスは、そもそも社会的に続ける価値があるものですか?」

そして金融ビジネスのあり方を変えることが金融庁の役目と宣言した。

「高い運用力を持つ金融機関、顧客本位が組織に根付いた金融機関が発展し、顧客本位を口で言うだけで具体的な行動につなげられない金融機関が淘汰されていく市場メカニズムが有効に働くような環境を作っていくことが、我々の責務であり、 そのため行政として最大限の努力をしていくつもりです。」

森氏が退任後は取り組みが減速するのでは?と恐れていたが、
おととい次のようなレポートが発表され、意志は受け継がれているようだ。

KPIとは”Key Performance Indicator”の略で評価指標のことであり、
金融庁は顧客が投資信託の購入の際、販売会社を比較できるように、

次の3つの指標の開示せよ、と金融機関に呼びかけている。

  1. 運用損益別顧客比率
  2. 投資信託預り残高上位20銘柄のコスト・リターン
  3. 投資信託預り残高上位20銘柄のリスク・リターン

これまではデータをプロットした図表だけで個別の金融機関名が不明だったが、
このたび運用損益別顧客比率のグラフで実名が明らかになった。

図が小さいくて読みにくいので編集しな直すと以下の通り。

長期に渡る上昇相場の中で半数以上の顧客が損失とは意味不明だが、
情報を隠さず公表したことを評価すべきなのだろう。

ちなみにこのKPIは調査時点で投信を保有している顧客の損益を分析したもので、
窓口で薦められるがままに投信を買い替えて、かすめ取られた購入手数料は含まれない。

そして今回発表のデータから金融庁は積立投資が有効であると分析している。

直販を行っている独立系の運用会社は、積立投資を行っている顧客割合が高く、運用効率の良い商品を積立形式で提供することにより、より多くの顧客にリターンを提供していることが窺われる。」

最後にこの表を見た雑感。

  • 野村證券の顧客が思いのほか好成績。大和證券にも大差を付けていてびっくり。
  • 三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券は、預かり資産1億円以上等の富裕層向けだと思うので、顧客1人あたりの損失にすると大変な額になりそう。
  • オンライン証券は取扱投信の本数が多すぎる。顧客に有益な投信に絞れば自ずと比率が上がるはず。

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