経済学=経済に美しさを求めるもの?→だから変?

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授業でマックス・ウェーバーの"Economy and Society"をかじった。
ウェーバーは、人の行為の合理性を4つに分類していて、
(1) instrumentally rational: 経済的な合理性(経済学のrational)
(2) value-rational: 個々の価値観に基づくもの
(3) affectual (emotional): 感情や愛情
(4) traditional (habituation): 伝統や習慣
なるほどなんとなく納得な感じ。

たとえば私が昨年、株価の高低を気にせず、"Our Credo"がすばらしい!
と理由だけで、J&Jに投資(しかもクリスマスイヴを選んで)、というのが(2)かな。
日本の株式持ち合いなんかは、(1)のように見せかけて、その実態は(2)と(4)。

でも経済学は(1)しか考えていない。
そして、合理的期待理論が効率的市場仮説につながり、
現代の投資理論の基礎に位置づけられてしまい、おかしなことになっている。

アンドリュー・ローは、
「効率的市場仮説の問題点は理論そのものにあるというよりも、それが資本市場の混沌として複雑な現実世界からいかにして抽象化されてきたかということを、多くの学者たちは忘れ去ったまま研究していることにある。」と語る。
ピーター・バーンスタイン「アルファを求める男たち」より

本当は世の中グッチャグチャなはずなのに、20世紀以降の経済学者は、
数学者のごとく、経済の解はこうだ!と数式で美しくまとめてしまった…。

ポール・クルーグマンは最近、ニューヨークタイムズに、
"How Did Economists Get It So Wrong?"という題でコラムを投稿し、
"As I see it, the economics profession went astray because economists, as a group, mistook beauty, clad in impressive-looking mathematics, for truth. Until the Great Depression, most economists clung to a vision of capitalism as a perfect or nearly perfect system."
と指摘している。

世の中、数学が得意な人より、数学が苦手な人の方が多いような気がする。
だから数式で示されると圧倒されて、あぁスゴイ!と信じ込んでしまうのかな?
でも、最初のウェーバーに戻ってみると、4つあるはずの人の行為のうち、
1つだけに着目して出てきた理論なんて、そんなにスゴイものではないかも。
見た目は美しいかもしれないけど、キレイなバラにはトゲがある、とも…。

コメント

  1. ぷーちゃん より:

    難しいですね。経済学は。最近資本主義関連の本を読むことありますが、どのように投資進めればいいかよく悩みます

  2. まろ@管理人 より:

    たしかに。読めば読むほど混乱します。
    ただチャンスは混乱の中にあるものなので、お互い日々学び、未来を思い描けるよう努力しましょう♪