価格革命とオランダの繁栄

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前回、スペインがアメリカ大陸からの銀の大量流入により、
繁栄と没落のきっかけを作ったことを書いたけど、
スペイン一国ではなく、もっと広い目で見ると面白いことが分かる。

ヨーロッパでは、スペインに流入した銀を元に、銀貨がたくさん鋳造されたことで、
銀の価値が下がり、物価が高騰した。
世界史の教科書では「価格革命」と呼ばれる現象。
物価といっても産業革命前だから、主たるものは穀物。
穀物の生産性の高いオランダに資金が集まり始めた。
皮肉なことに、これがスペインからの独立戦争の軍資金にもなった。

さらに、穀物の値段高騰から農地の地価も上がり、土地を担保に融資を受けて
堤防や風車を建設する、といった流れから、オランダでは金融市場が発達する。
やがてアムステルダムがヨーロッパの金融の中心となり、
一般投資家でも参加できる金融市場が始めてできたそうな。
金融市場を通じて、東インド会社を始めとする貿易会社の資金集めにも利用され、
1630年代には、世界最初のバブル、チューリップバブルも起こった。

てなわけで、1500~1700年の200年間で最も発展したのがオランダなんだって。
でもこの間の1人当たりのGDP成長率は、0.52%なんだって。。。
これでヨーロッパ一の高成長とは、むごい…。
しかしオランダもまた衰退の時がやってくるわけで、
「豊かさの誕生 成長と発展の文明史」の中では興味深い原因があげられている。
これについてはまた次回♪>>>続く

※参考文献
ウィリアム・バーンスタイン「豊かさの誕生 成長と発展の文明史
成美堂出版「一冊でわかるイラストでわかる 図解世界史
高校時代に使った、山川出版社の世界史B教科書&用語集(笑)

コメント

  1. 空色 より:

    私が高校のとき一番好きだった科目は世界史です。
    まろさんお薦めの「豊かさの誕生 成長と発展の文明史」にはなかり惹かれます。ズバリ、お薦めですか?
    お薦めであれば、そのうち読んでみたいと思います。

  2. まろ@管理人 より:

    ・投資家である
    ・高校時に世界史が好きだった
    この条件を満たす方には、お薦めというよりも読むことを強制します(笑)
    私なんか昔の世界史の教科書、引っ張り出してきて読んじゃいましたから。