サブプライムローン関係のデータ記事に質問いただいたので。
そういえば住宅バブルの崩壊後まもなく、
住宅ローン債権を証券化した金融商品への格付けに虚偽が判明し、
格付会社の存在意義が問われる、なんて局面があったね。
一般的に格付の必要性については、
「情報の非対称性」って専門用語で説明することが多いけど、
それじゃつまらないのでグルメの話に置き換えてみよう。
グルメ界の格付会社は食べログやミシュランガイドになるかな。
IT革命以前、グルメ情報が乏しかった頃は、
美味しい店の定番といえば、百貨店の最上階だった。
でも食べログ登場以降、4.0以上の評価がついた店ならば、
どこの街へ行っても美味しいものが食べられるようになった。
料理人の立場からも考えてみよう。
高い家賃を払って一等地に店を構えなくても、
心をこめて美味しい料理をつくりさえすれば、
お客さんによって評価され、繁盛店への道が開かれる。
格付を介することで、私たちも料理人もハッピーになれる。
同じことが金融市場でも期待されているんだよ。
たとえば優秀でも無名ゆえに資金難にあえいでいた人が、
良い格付を得ることで投資家からの支援を受けられる。
ただグルメの世界と金融の世界とで違うところがあってね。
美味しいものを食べたい、食べさせたいって人たちの世界より、
金融の世界はお金を儲けたいって思いが強いところ。
だから金融は本来の目的が形骸化してしまうことが多いんだ。
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