前回に引き続き、歴史を動かしたコーヒーの話だよん。
フランスにコーヒーがやってきたのはルイ14世の時代(1643~1715)。
オスマン・トルコが外交手段としてコーヒーを献上したのがきっかけ。
だからフランスではヴェルサイユの貴婦人を中心に広がった。
そんな経緯もあり、イギリスのコーヒー店は女人禁制だったが、
パリを中心にオープンした「カフェ」は男女を問わない社交の場だった。
啓蒙思想を担った、ルソーやディドロもカフェ愛好家だったらしい。
また、体に悪いとたびたび指摘されるコーヒーに、
豊穣と清純のシンボルである牛乳をまぜてしまえばいいじゃないか、
というノリで、当時生まれたのが「カフェ・オ・レ」なんだよ。
さてイギリスでは金融革命を起こしたコーヒー。
フランスでは王室に不満を持った革命家がカフェで激論を交わし、
「カフェ・ド・フォア」でのカミーユ・でムーランの演説をきっかけに、
バスティーユ牢獄を襲撃、ここにフランス革命がはじまることになる。
また時代を下り、ナポレオン政権崩壊の影にもコーヒーが…。
西欧を支配下に収め、皇帝に即位したナポレオンは、
イギリス経済に打撃を与えるために大陸封鎖令を発令(1806年)。
でも海上貿易の支配者イギリスとの確執は、
「ナポレオンの大陸封鎖令によって生じた砂糖とコーヒーの欠乏はドイツ人を対ナポレオン蜂起に駆り立て、このようにして1813年の輝かしい解放戦争の現実的土台になったことで、砂糖とコーヒーは19世紀においてその世界的意義を示したのである。」
とカール・マルクスが指摘したような歴史をもたらした。
冗談みたいな話だけど、紅茶にも同じような歴史があるじゃない。
イギリス国内で紅茶の消費税を下げ、アメリカでは関税をかけたことで、
ボストン茶会事件(1773年)が勃発、アメリカ独立戦争がはじまっちゃう。
食べ物の恨みはコワイ。
とくに嗜好品の楽しみを邪魔をすると、後でとんでもないことになる。
そして最後にコーヒーに振り回されたブラジル経済史を…>>>続きを読む
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