今年は6冊も羽生さん関連の本を読んでいるせいか、目新しい話はなかったかな。
でも平日の朝じゃ、誰も参加できなかっただろうから、内容を紹介しておくね。
何百・何千もの手を読んで指しているわけでない
プロ同士の会話で一致したこと→10手先(双方5手ずつ)を予想するのは難しい。
10手先は自分の予想していなかった局面になっていることがほとんど。
必ず予想外のことが起こって、それにどう対応していくかの繰り返し。
暗中模索、五里霧中の中、なんとなくこっちがいい?という感じで進んでいく。
将棋の手はマイナスの選択肢が多い
お互いベストの場所を探求し、駒を置いていくと、
終盤に入り、局面が詰まってくるとプラスの手が見つけにくくなる。
長考
プラスの選択肢が見つからないときや、踏ん切りがつかないときに長考に入る。
30分くらい考えれば、だいたいのシュミレーションができているが、
最終的にどちらを選択すればいいのかで、ためらってしまう。
長く考えてしまうと、費やした時間が惜しくなり、別の手を考えられなくなる。
たくさん読めるというより、すばやく見切れるかどうかが調子のバロメーター。
記憶
将棋界では1年間に2000局あるが、すべて覚えていることはもちろん無理。
1つの局面を見せられて、自分が指したものかどうかはすぐに分かる。
PCを使って1局1分くらいで見ることはできるが、1時間くらいで忘れてしまう。
一方、将棋盤を使って手を動かしていくと、長い間覚えていることができる。
視覚から入ってくる情報のインパクトは強いので、他の部分を働かせるのがコツ。
秩序だった法則性があれば覚えやすい ← 幼稚園児の将棋は覚えられない
目隠し将棋…タオルで目を隠されると難しいが、壁に盤面を想像できれば楽。
データとの付き合い方
現代の将棋は、データと論理を前もってつめとおかないと勝てなくなってきた。
だが、本当に重要なのは、羅針盤が動かないところでどうするか。
データに固執すると、先入観や思い込みにより、新しい発想が生まれなくなる。
玲瓏(れいろう)※羽生さんがサインによく書く言葉
現代の将棋は戦術の移り変わりが速く、昔覚えた定跡のほとんどは使えない。
でも、何か違うテーマ・課題を習得する際に、以前の思考プロセスが役に立つ。
未知の分野に乗り出すとき、以前の経験が、不安を軽減する効果もある。
発想やアイデアには「玲瓏」(まっさらな気持ち)が大切。
戦術の研究と進化
新手は3~5年に1回出るか出ないか。大半は昔からの定跡に付け加えたもの。
結論の出しやすいところより、可能性がありそうなところを探求するのが大事。
今の将棋は最初の20~30手といった細かいところで工夫がされている。
個性を出すためには、データの扱い方にも独自性が必要か?
変化にはリスクがつきものであり、急に戦略を変えるのは無謀だが、
1,2年後に気がついたら違う場所にいた、というのが理想。
昨年度の公式戦において、初めて後手のほうが勝ち越した。
→多くの棋士がいろんな可能性を試みている時代である証か?
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