アメリカのビック3(GM・Ford・Chrysler)が危ないと言われ続け、
とうとう政府の救済を受けられなきゃ、年内に倒産するくらい大変らしい。
さて救済してあげるのか、あげないのか? 私個人は支援に反対。
日経新聞の株価欄・東証一部上場を見て、まず最初に感じる違和感。
建設業の会社、なんか多すぎるんでない?
本当は倒産すべき会社だったのに、銀行が債権放棄をしてあげたからゾンビ化し、
特にM&Aが進むこともなく、ズルズルと業界全体が沈没しているような…。
アメリカの自動車業界だって、昔から問題視されていたわけで、
例えば、最近お気に入りの佐伯啓思「欲望と資本主義」は1993年出版だけど、
「日本の自動車の成功を欧米と比較したとき、先ほど述べたように、決定的な点のひとつは、日本の自動車が徹底して消費者の好みや利便を追求し、そのために可能なかぎり効率的な生産体制をしいたということである。これは一見すると、ごく当然のことのようにも思われるが、必ずしもそうではない。
消費者の好みや利便を追求することが同時に企業の利益につながるという発想は、必ずしも自明のものとはいえない。実際アメリカの自動車会社にとっては、利潤機会は、消費者の好みの中にあるというよりむしろ、まず労働者との関係にあった。労働組合対策がまず第一に経営の主要な関心だったのである。」(P51)
すでに現在と同じ問題も指摘されているわけで、いい加減そろそろ諦めたら?
ゲーリー・ベッカー教授も救済に反対で、破産させた方がいいと書いている。
→”Bail Out the Big Three Auto Producers? Not a Good Idea.“
これを読むと1970年代から続く、労働者への手厚すぎる
“wages, pensions, and health benefits” が問題の根幹みたい。
ついでに、この文章の最終段落から。
“Is GM “too big” to fail? I do not believe the company is too big to go into a reorganization-which is what bankruptcy would involve. Such reorganization would abrogate its untenable labor contracts, and give it a chance to survive in long run.”
組織が大きくなりすぎたから失敗したわけじゃない、って言ってるんでしょ?
もしGMが倒産したら、日本の報道では表面的なところだけをとって、
大きくなりすぎて身動き取れなくなったのが原因、とか言われそうだから…。
おまけデータ
・上場企業の債務免除益調査(帝国データバンク-2001/06/29)
・債権放棄実態調査(帝国データバンク-2004/11)
コメント
確かに、現在のアメリカの自動車産業には”資本”の観点からの存在意義は無いと思います。長期的な視点で見た場合、私も救済しない方がグローバル経済全体にとってベターだと思います。
ですが、今、破綻させてしまってよいのでしょうか?破綻処理には莫大なコストがかかります。依然として経済全体が危機的な状況から脱していない中で、それだけの負担に耐えられるでしょうか?私には、体力を無くした瀕死の患者に大手術を施そうとすることのように見えます。
結果としてどちらがましかということは後になって振り返ってみないとわかりませんが、リーマンの例を見れば容易に分かるように、本件のように経済全体への影響が危惧される場合には、ある程度長いタームでの、破綻させた場合と一旦救済して時間稼ぎをした場合とのトータルコストの大小を考えた方がよいのではないかと思われます。
目先重要なのは、”メルトダウンを回避すること”で、ある程度のコストは払いつつ、経済正常化の道筋をつけることが先だと個人的には考えています。
政府が大企業の負債を肩代わりするってことは資本主義の考えに反してますから私も反対ですね。このようなことが常態化してしまうと、大企業は負債を負っても自分たちは倒産しないと勘違いしてしまいますし。
どことなく不公平感がある政策のような感じは受けます。
ただ、雇用や景気への影響の面から見ると慎重な議論が必要ですが・・・。
みほのぶるぼんさんのおっしゃるとおり、いきなり潰すのは確かにヤバそうな雰囲気もありますね。ベッカー教授の記事で、ユナイテッド・エアライン(2002年に経営破綻)はうまいこといってる、みたいな記述がありますが、一体何をやっているのか、詳しく知りたいところです。
ヒデさん、私は税理士事務所に生息していて、お付き合いするのが全部、中小企業なので、大企業なら救済(大きすぎて潰せないとか)って考え方が大嫌いです。そもそも次世代自動車を作る余力もない企業を生かし続けても、何の意味もないですしね。
お疲れさまです。難しいですね。
難しいと思うのが、今年助けて来年助けて、また再来年も?になら無いような、対処を施す血の契約のようなことができれば、今年救済する価値はあると思いますが、来年、再来年も同じ状況で、日本からは毎年IMF経由でアメリカに10兆、20兆と支援するのであれば、自分の職が安定しているのであれば、、、
GMは切り捨てて欲しいです。
ズルズルと長続きってのは、なんかアメリカらしくなくてしっくりこないですよね。日本はアメリカのATMだから(笑)、またたくさんお金取られそうですね…。
ウチの夫(い○ゞ勤務)が毎日、定時で帰ってきます。
(私が帰宅すると、もういる)
韓国ドラマが見れません(ノД`)⇒(一人のときに見るもの。)
派遣は今年いっぱいで0に。社員も独身者は栃木に出向させられるそうです。。
夫は、オレ行きたかったなー・・単身赴任やっほーって言ってます。。(お声がかからなかったって残念がってる)
そうするともし、私が旦那さんだったら大変ですね。だってスポーツクラブ行かない日は、18時にはお風呂から出てきちゃう勢いですから(笑)
自分の中で、17時30分を超えて働くのはタブーなのです。