先日、Jリーグ各クラブの決算を眺める中で、
2024年レッドブル傘下となったRB大宮アルディージャについて、
もう少し詳しく調べたいと思っていたら、タイムリーに新刊本が!
著者は2002年から大宮の公式ライター務める方とのこと。
まずは大宮の凋落からレッドブル株式取得までを、
決算書とともに振り返っておこう。
- 2017年シーズン(2018年1月期決算)にJ1からJ2へ降格
- 2020年シーズンからJ2下位に低迷し始める(2019-3位、2020-15位、2021-16位)
- J2下位低迷の結果、スポンサーが離れ、チームの人件費に投資できなくなっていく(2023年1月期)
- 2023年シーズン(2024年1月期決算)にJ3へ降格
- 2024年8月、レッドブル(Red Bull GmbH)がNTT東日本から株式を100%取得
さて「大宮アルディージャはなぜ外資に買収されたのか?」から、
目に留まった内容を抜粋していくと、
まずはレッドブルのサッカー部門のトップが、あのマリオ・ゴメス!
ドイツ代表での印象は薄いが、ブンデスリーガでの得点力を思い出す。
買収にあたって彼が来日し、様々なコメントを残していたそうで、
レッドブルがなぜ日本を選んだのか?という質問については、
シュツットガルトで遠藤航、浅野拓磨とともにプレーした経験から、
エンドウもアサノも、互いを尊敬する、文化を尊重する、さまざまな場面で助け合う、といった姿勢を見せていました。サッカーで言えばチームへの献身性であり、高い志を持ちながらピッチの内外で日々努力を重ねていた。そういったところに、私はとても感銘を受けたのです。私たちレッドブルサッカーのフィロソフィーにマッチすると考えて、日本を選びました。
ヨーロッパで活躍する日本代表の選手の存在が、
クラブ経営の本場から資本が入るきっかけになったことが分かる。
また大宮という街のポテンシャルにも注目しており、
ここは本当にエモーショナルな、情熱的なところです。アルディージャとレッズによるさいたまダービーについては、私たちももちろん知っています。レッズはJ1リーグにいますけれど、数年後には国内最大の、日本で一番盛り上がる熱狂的な試合を実現したいのです。
付け加えるなら、大宮駅は新幹線も停車するような特別な駅で、
アルディージャのスタジアムは大宮駅から徒歩20分。
こんな環境のチームをレッドブルは一体いくらで手に入れたのか?
ニュースリリースはもちろん本書からも読み取ることできない。
RBライプツィヒでの実績があるレッドブルにとっては、
かなり安い買い物だったのだろうなぁと容易に想像がつく。
レッドブルの買収によってRBライプツィヒが立ち上げられた当初、クラブは国内5部相当のリーグに在籍していた。レッドブルは10年でのブンデスリーガ昇格を目標に掲げ、それよりも早い8シーズン目に国内最高峰のリーグへたどりついた。
本書ではじめて知ったのは、2025年1月1日付で、
レッドブルのグローバルサッカー責任者に、
あのユルゲン・クロップが就任しているのだとか。
RB大宮のクラブハウス内のミーティングルームには、
《COUNTERPRESSING IS NOT PROPOSAL, IT’S A LAW》
と、大きく記されている。
「カウンタープレスは提案ではなく規範だ」とのフレーズは、クロップが監督として打ち出した戦術的な哲学であり、レッドブルサッカーが共有するマインドでもある。
これはレッドブルは将来性のある選手をグループ全体として育成する、
という発言が本気であることがよく分かるエピソードだと思う。
今後が楽しみになクラブになったことは間違いない。
そしてクラブ決算を読む上で役立つ本書の情報としては、
移籍金に関するFIFAの国際ルール。
- 連帯貢献金(Solidarity Contribution)…FIFAが定めた国際ルールで、移籍金の5パーセントは移籍金を得た元所属クラブから、その選手が12歳から23歳まで過ごした各クラブへ分配される。
- 育成補償金(Training Compensation)…移籍金が発生しなくても育成クラブにお金が支払われる制度で、選手が初めてプロ契約を結んだ際や、23歳の誕生日を迎えるシーズンまでの間に国際間移籍が行なわれた場合に、育成クラブに支払われる。
最後にもう一度、決算書に戻ると、NTT時代の大宮のPLが酷い!
当期純利益がゼロ円が続いていてお役所仕事か?とツッコミたくなる。
今回は2018年1月期からを抜き出したが、さらに10年遡っても同じ調子。
赤字になるのを恐れて、将来への投資も怠り続けてきたのだろう。
こんな酷い経営で下位とは言え、J1に定着していた時代があったなんて…




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