未完の美がそぐわないもの

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不足の美、未完の美、余白の美。そして引き算の美学。

ないからこそ、想像力の中で美を発見することができる。
ない部分にこそ、ものの本質や美しさがある。

日本の文化を理解するうえで欠かせない美意識。

それを説いた古典も数知れず。

「すべて、何も皆、事のととのほりたるは悪しきことなり。し残したるを、さてうち置きたるは、おもしろく、生き延ぶるわざなり。」(徒然草82段)

「秘する花を知る事。秘すれば花なり。秘せずは花なるべからずとなり。この分け目を知る事、肝要の花なり。」(風姿花伝・別紙口伝)

“True beauty could be discovered only by one who mentally completed the incomplete.”(岡倉天心「茶の本」)

でも未完のまま終わることが耐え難いものもある。

そんなことを痛感させられたニュースが、
名探偵コナン、毛利蘭役の声優、山崎和佳奈さんの死去。

たしか私が高校生の頃にアニメ放送がスタート。
大学生で株式投資を始めるまで、読書と言えば推理小説のみだったから、
初期の頃はたまに見ていた記憶がある。こんなにも長く続くとは…

直近20数年間のストーリーをまったく知らない。
でも続いているということは、コナンは黒の組織を追い続け、
蘭は新一を待ち続けている、という大枠は変わらないのだろう。

最終的なゴールを誰もが共有できる型の作品だからこそ、
未完のままヒロイン役の声優さんを失ってしまったことで、
なんとも言えない気持ちになってしまうのだろう。

ここがドラえもんやサザエさん、ちびまる子ちゃんのように、
ゴールがなく永遠と日常を描き続ける作品との決定的な違い。

そして原作が完結している「鬼滅の刃」の映像化は残り映画2本分。
ソニーの株主としては残念に思うが、ビジネス云々は二の次にして、
綺麗に作品が完結することこそが美しいのだと認識されられた。

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