人生の哲学と科学

お薦めの本

キャス・サンスティーン「最悪のシナリオ」

キャス・サンスティーン「最悪のシナリオ」。リチャード・セイラーやダニエル・カーネマンとの共著で、著者の名前を見かけたことがあったので読んでみた。 テロと気候変動、オゾン層破壊と気候変動。それぞれの対応...
道元「正法眼蔵」

道元の遺言? 八つの大切なこと/正法眼蔵・八大人覚

道元の大著「正法眼蔵」の最終巻「八大人覚」は、釈迦入滅直前の説法「仏遺教経」からの引用が主だが道元絶筆の教えとして、遺言ととらえることもできるという。 「八大人覚」とは「八・大人・覚」であり、ここでい...
兼好法師「徒然草」

徒然草に学ぶ、金銭感覚と投資の心得。

rennyさんとのお話の中で「徒然草」に触れたので、お金や投資に関連する部分についてまとめておこう。 理想的な金銭感覚 兼好法師の生きた14世紀前半は、貨幣経済が本格的にはじまった頃。徒然草の中にも金...
世界を読み解く方法

好奇心の羽を広げて直感を磨く/羽生善治「直感力」

羽生善治さんの書籍を再読・編集するのが止まらなくなってしまい。今回は2012年に出版された「直感力」より。 羽生さんが「直感」をテーマに執筆することになったのは、 おそらく2005年出版の「決断力」で...
世界を読み解く方法

選択に迫られた時に読み返す、羽生善治「大局観」。

私が投資に前のめりになるのは、株式市場が暗いムードの時なので、欲しかった企業の株価がどれもお買い得に見えて絞るのが難しい。選ばなかった方の企業の株価が上昇してしまったり…(苦笑) 星の数ほど多くの手か...
世界を読み解く方法

羽生善治「決断力」に学ぶ、情報との向き合い方。

羽生善治さんの「決断力」が出版された2005年当時は、家庭向けのインターネットの人口普及率が70%を超えた頃。(2001年は44%だったが、その後ADSLや光回線の普及で急上昇。) それまで一般市民の...
世界を読み解く方法

私にとって最高の投資指南書、羽生善治「決断力」

私が投資家人生で一番参考にしている方は、 ウォーレン・バフェットさんよりも、将棋の羽生善治さん。 2005年に出版された「決断力」との出会いにはじまる。 この本を手に取ったきっかけは、とてもふざけたも...
中国古典

柳緑花紅真面目。「しんめんもく」と「まじめ」。

柳緑花紅真面目(柳は緑花は紅、真面目) 宋代の詩人、蘇東坡(1037~1101)の詩の一節とされる。(レファレンス共同データベースによると、出典不明で作者は謎) 蘇東坡の詩は仏教の経典や語録を題材にし...
世界を読み解く方法

歴史に法則はない/カール・ポパー「歴史主義の貧困」

久しぶりにカール・ポパーの「歴史主義の貧困」を再読。 前回の読書メモは、序章をちぎっているだけなので、 おそらく中身はよく理解できないまま挫折したものと思われる。 歴史の行く末は予測不能/カール・ポパ...
世界を読み解く方法

価値があるとはどのようなことか?

ジョセフ・ラズ「価値があるとはどのようなことか」。 価値(企業価値)と価格(株価)の差異に探すのが投資家の営みだから、この本のタイトルにすごく惹かれたのだけど、理解不能な内容だった。 価値というからに...
投資で創った人生哲学

カジノ化する社会に振り回されずに生きる

「楽して儲けたい」とは誰もが願うこと。でも世の中そんなにウマい話はないんだよね。 投資の世界でもレバレッジを使う手法があるが、うまくいく人は一握り。それも相当な努力をして、精神をすり減らした末に得られ...
脳と遺伝子の探求

過去の記憶が色あせるから、時の流れを実感できる。

もしも覚えたことをいつまでも忘れない記憶力があったなら。そんな能力を手にしたら、状況が変化したときに、以前の記憶が鮮明すぎて邪魔で、新しい環境に適応できない。 そんな研究結果をネズミを使って示した論文...
脳と遺伝子の探求

新しい習慣に慣れるのにどれくらいかかるのか?

私たちは新しい習慣に慣れるのにどれくらいかかるのか? 池谷裕二「寝る脳は風邪を引かない」で、下記の論文が紹介されており、平均して66日ほどで行動が変容するとのこと。 Phillippa Lally“H...
お薦めの本

脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか?

2018年から活動の「池谷脳AI融合プロジェクト」。人工知能を用いて脳の新たな能力を開拓し、脳の潜在能力は一体どれほどなのかを見極めること、を目的としているという。 このプロジェクトの代表、池谷裕二氏...
世界を読み解く方法

ポール・ヴァレリー「精神の危機」「知性について」

ポール・ヴァレリー「精神の危機 他十五篇」より、「精神の危機」と「知性について」の読書メモ。 精神の危機 ポール・ヴァレリー(1871~1945)は、産業革命や資本主義などで世界をリードしたのが、なぜ...
お薦めの本

がんは進化のプロセス/アシーナ・アクティピス「がんは裏切る細胞である」

アシーナ・アクティピス「がんは裏切る細胞である」は、「癌(がん)」に関する最新の知見がまとめられた興味深い一冊。 がんは多細胞という性質に特有の問題 ひとりの人間の一生の間に繰り広げられる細胞の進化の...
中国古典

不要不急と無用の用

不要不急。 先ごろはじまったCOVID-19の第5波では、あまり見聞きしなくなった。ただ「何が自分にとって不要不急だったのか?」と振り返る機会は、今後も継続的にあった方がいいように思う。 今の経済活動...
世界を読み解く方法

人の目を曇らせる「思想」「嗜好」「習慣」(柳宗悦)

私たちが本質を見失いがちなのはなぜか? 柳宗悦がこんな言葉を残している。 「大方の人は何かを通して眺めてしまう。いつも眼と物との間に一物を入れる。ある者は思想を入れ、ある者は嗜好を交え、ある者は習慣で...
脳と遺伝子の探求

ビジネス書は後知恵バイアスとハロー効果だらけ

ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」は、その内容の記憶が薄れてきたら繰り返し読むべき一冊。先ごろ出版された続編「ノイズ」を読む前の復習にもいいだろう。  いわゆるビジネス書には大きく分けて二つの種...
お薦めの本

ドーパミンと起業家精神/リーバーマン&ロング「もっと!」

ドーパミンに関する最新脳科学を紹介した一冊、ダニエル・リーバーマンとマイケル・ロングの「もっと!」を読んでいて、起業家精神で日本がアメリカに適わない理由がよく分かった。そもそも遺伝子に端を発する違いな...