人生の哲学と科学

古典に学ぶ人生論

聖徳太子の人生観(十七条憲法から)

昨日に引き続き、聖徳太子の「十七条憲法」から。まずは第九条。 「信はこれ義の本なり。事毎に信あれ。それ善悪成敗はかならず信にあり。」 この当時の「信」の一文字をどう表すのが正しいのか分からないけど、何...
古典に学ぶ人生論

日本の無常感は聖徳太子から

藤原鎌足、不比等のあたりで、それ以前の歴史が書き換えられたらしく、実在したのかが謎な聖徳太子(最近の教科書では「厩戸王」が正式名)。 冠位十二階(603年)、十七条憲法(604年)を制定にたずさわり、...
兼好法師「徒然草」

人の心はうつろいやすい/徒然草26段

人の心はうつろいやすい…。しみじみと感じたとき、徒然草の26段が深い。 「風も吹きあへずうつろふ、人の心の花に、馴れにし年月を思へば、あはれと聞きし言の葉ごとに忘れぬものから、我が世の外になりゆくなら...
古典に学ぶ人生論

夢と現実のあわいで

季節外れの花火を静かに眺めながらぼんやりと。去年の今ごろ夢見てた未来は、何1つ実現しなかったな、って思い出す。でも、心身ともに壊れた年初のゴチャゴチャを振り返れば、今もこうしていられることを「ありがた...
投資で創った人生哲学

未来学は存在しなかった

この春の投資ブログとしてのクライマックスを振り返ると… 投資で大事なことの1つとして「予測は願望にすぎない」と嘆き、 たとえ願望にすぎなくても「イリュージョンは希望」だと立ち直り、 最後は「経済や企業...
しあわせのかたち

自ら選ばず、流されることも大事

どんなに想いを込めても、この世界は望んだように微笑み返してくれない。幸せばかりを願う、欲深き心には、災いが忍び寄ってくるものなのだ。そう悟った今の私の願いは、心静かに生きること。そのためには、自ら選ば...
しあわせのかたち

「創る」喜びを探して

貨幣(お金)が価値判断の中心に君臨している今の社会。いつの時代からか分業化が進んだことで、私たちの日々の暮らしは、 自分の時間(自由)を誰かに売ってお金を手にして、 そのお金で他の誰かの時間(自由)を...
しあわせのかたち

幸・不幸はさかのぼらないと分からない

先月のお気に入り記事は「過去のすべてが肯定される瞬間」。木田元「偶然性と運命」で解説されていた、20世紀ドイツの哲学者、マルティン・ハイデガーの時間論を、私なりに編集してみたものなんだ。 運命的な出会...
しあわせのかたち

社会貢献って結局なんだ?-自己肯定感

昨年末に書いた2つ記事につなげて、震災後の動きを踏まえて第3弾。おさらいしながら、社会貢献って結局なんだ?と迫ってみる。 その1では、江戸時代(資本市場の発展以前)には2つで1つだった、「カセギ(稼ぎ...
「時」を読み解く

過去を捨て、未来は考えない

過去を分析し、未来を予測する。投資でくり返しやってきたことで、世界経済が変になり始めた今まさに、過去の例から考えて…なんて作業を私もやっていたりする。 でも、これを人生に置き換えると、実に妙なことをし...
しあわせのかたち

いくらあれば十分か?

お金と仕事や幸せに関する、とある日の会話をまとめた2つの記事。 ちょうどいい年収 何のために働くのか? 多くの方に読んでいただいたので、最後にオマケでもうひとつ。 これは聞かれてないけど、訳あって勝手...
しあわせのかたち

何のために働くのか?

今年は春以降、年下の人にこの手の内容で問い詰められることが多くて。はじめはうまく答えられなかったけど、最近ようやく頭が整理できてきた。先日「ちょうどいい年収」の話とセットで、私が語った内容は以下の通り...
日本の美意識

偶然の扱い方/歴史・文化から見る日本のリスク感覚・3

前回の「時の捉え方」に引き続いて、今日は「偶然の扱い方」について。ここは私がいったん投資の話をやめることにした理由のひとつかな。 西洋文化は当初から「偶然」に対して寛容ではなかった。ギリシア哲学は、世...
しあわせのかたち

ちょうどいい年収

「ちょうどいい年収っていくらくらいだと思う?」 なんて不思議な質問をされた。なんか「ちょうどいい」って部分が妙に気に入って、真剣に答えちゃった。 1. 年収1,000万円超はよくない 理由は次の2つ・...
日本の美意識

時の捉え方/歴史・文化から見る日本のリスク感覚・2

初回はおおざっぱすぎたから、テーマを決めて少しずつまとめてみる。今日書いてみたいのは「時の捉え方」について。 頭の中をうまく表現できるか分からないけど…投資理論やMBAとか触れてみて感じた、欧米の時の...
しあわせのかたち

過去のすべてが肯定される瞬間

夏で軽装になってはじめて私がやせたことに気がついて、心配する人たちに、「アップルのスティーブ・ジョブズだって、まだ生きてるじゃん。」とうまく返したつもりでも、「ジョブズ?誰それ??」的な反応で、ズルッ...
古今和歌集

紀貫之の和歌で詠む七夕の心

あと10日ちょっとで七夕がやってくる。みんなは何を願うのかな。今日は紀貫之の和歌で、恋と七夕についてつづってみよう。まずは和歌と七夕の関係をごく簡単に。 七夕は、すでに「万葉集」の時代から、さかんに歌...
しあわせのかたち

瀬戸内寂聴「生きることは愛すること」

今年、一番のお気に入りの本は「生きることば あなたへ」ほかにも寂聴さんが人生を語った本はないかな?と探してきたのがこれ。母校の高校生から寄せられた質問に、寂聴さんが答えた問答集。 6年近く前になるかな...
お薦めの本

一度きりの美しさと永遠へのあこがれ/笹井宏之「えーえんとくちから」

人はこの世界の時の流れを、日・時・分・秒と細かく切り分けてきた。時を均質に切り分けてしまったから、一度きりを意識しにくくなっている。 でも、人生における大切な時間・瞬間の多くは、一度きりで終わってしま...
偶然とリスクの諸相

想定外はどこからやってくる?

いつからなのかな。今の社会は「思い描いた未来」と「やがて起きる現実」との溝を、「想定外」という言葉でしか埋められなくなってしまった気がする。 原発の問題は本当に人災?文明自体に命が宿り、人にコントロー...