お薦めの本

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歴史の道理を読み解く/慈円「愚管抄」

慈円(1155~1225)は平安末期~鎌倉初期を生きた、 当時の仏教界最高の地位(天台座主)にいた人物。 おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に 墨染めの袖 たとえ理想と笑われても、私はす...
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世界が広がる良書「数学者の哲学+哲学者の数学」

良書に出会うと読中・読後に読みたい本が激増する。 未知の分野への関心が広がるきっかけとなる一冊との出会い。 それが読書の醍醐味の1つ。すべての学問は数学と哲学へ向かって収束していくのでは…。 そんな印...
日本の美意識

「もののあはれ」と「をかし」/大野晋「古典基礎語辞典」

大野晋氏といえば「日本語練習帳」が有名だよね。 そんな日本語研究の大家、大野氏は2008年に亡くなったけど、 氏が自分の死後、できたところまでまとめて出版して欲しい、 と遺した作品が昨年出版された「古...
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女性美の本質をもとめて/長谷川時雨「近代美人伝」

「なぜ美人ばかりが得をするのか」はおもしろい本だった。 たしかに美しくなければ生きていけない。でも美しさってなんだろう? そんな疑問のはてに、20世紀前半に100人超の女性を描いた 長谷川時雨(187...
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リスク管理は破局に無力/ジャン=ピエール・デュピュイ

リーマンブラザーズが破綻した日に、これは面白いことになった♪ と投資の分野で研究者として名を残す!と暴走し、大学院へ進学。 でもそこで出会った学問は、より良い未来の創造に対して無力であり、 むしろ未来...
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コーランは商業倫理が満載-井筒俊彦「イスラーム文化」

イスラム金融ってお金を貸して利子とっちゃダメじゃない。 そういうのを聞くと、沸いてきた石油を売りさばいてるだけで、 イスラム世界は経済活動の無縁なんじゃない?と思いがち。 でもこの本読むと、そういう誤...
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本屋の残しかた・3 松丸本舗閉店の衝撃!

松丸本舗が9月末で閉店。。。 あの形態で本屋が成り立たないとなると本屋の未来は絶望的。 これまで私が考えてきた「本屋の残しかた」を編集し直すと… アメリカ人にとって本屋は、わざわざ車で出かける場所だか...
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寺田寅彦「天災と国防」

物理学者でエッセイスト。 おもしろい肩書き。 私が物理学に興味を持ったことで、ようやく出会った寺田寅彦。 関東大震災前後を生きた著者の自然災害に関するエッセイを 東日本大震災を受けて、12本ピックアッ...
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ヘタな自己啓発本より世阿弥「風姿花伝」

「成功の法則」といった安っぽいタイトルの本を読むくらいなら、 能の魅力を「花」に例えた世阿弥の能楽論「風姿花伝」。 舞台を成功させるための「まことの花」を追いかけて、 年齢別の稽古論を説いてみたものの...
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原発事故は科学の取り違えによる人災

たしかに原発事故は「人災」だ。 しかし原発事故調査委員会の言う「人災」ではない。 「当委員会は、本事故の根源的原因は歴代の規制当局と東電との関係について、「規制する立場とされる立場が『逆転関係』となる...
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渡辺和子「愛と励ましの言葉366日」

今、話題の書「置かれた場所で咲きなさい」。 タイトルになるほど!と勝手にすべてを理解したつもりになり、 同じ著者の他の本を一冊、ということでこの本を読んでみた。 1973~2003年に出版した9冊の本...
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科学の因果律を追って/大栗博司「重力とは何か」

質量の起源、ヒッグス粒子について明日なにか発表があるとか。 表題の本となんか関係あるんだろうけど私にはまだ理解不能。 私が知りたいのは、科学の最先端で因果律がどう扱われているか? 軸があれば門外漢の分...
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天からの文を読み解く-野尻抱影「星と伝説」

6月30日は「アインシュタイン記念日」なんだって。 1905年の今日は「特殊相対性理論」に関する最初の論文発表の日。 日本では歴史・文化に関する英文の名著が次々生まれていた頃だ。 最近、アインシュタイ...
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絶対的な時間は存在しない/佐藤勝彦「相対性理論を楽しむ本」

人の心を通すと時の流れはゆがむ。 日常的なことで考えれば、時の流れを忘れるような体験の中にしか、 「今」という感動に満ちた時間は私たちに存在しない。 また、株式投資の視点からリーマンショック後1年間の...
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ポール・ヴァレリー「投機家・テスト氏との一夜」

ポール・ヴァレリーは20世紀前半に活躍したフランスの詩人。 世界や自分をどう捉えるべきか悩んだ若き日のヴァレリーは、 自分の分身、テスト氏なる人物を生み出し対話をはじめる。 そのテスト氏シリーズ1作目...
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バイキャメラル・マインド(二分心)の衝撃

連塾最終回で「ゆらぎと創発をめぐる科学のための5冊」と題して、 松岡正剛氏が選んだうちの1冊、ジュリアン・ジェインズ「神々の沈黙」。 途中まで読んだけど「バイキャメラル・マインド」、すさまじい仮説だ。...
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イアン・ハッキング「偶然を飼いならす」

サブプライムローン問題に続くユーロ危機という現在の混乱は、 偶然の飼いならしに失敗し、ブラックスワンが羽ばたいた結果とも言える。 いつからなのか? 偶然を「まぐれ」のまま放っておけなくなったのは? 確...
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ナンシー・エトコフ「なぜ美人ばかりが得をするのか」

邦題の安っぽさがもったいない。 原題は"Survival of tha Prettiest ― The Science of Beauty" 本書は副題の示すとおり「美の科学」がテーマ。 結論はごく単...
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リヒャルト・ダーフィト・プレヒト「哲学オデュッセイ」

ドイツで出版され100万部のベストセラーとなった哲学エッセイ。 この本の素晴らしさは「間」(ま・あいだ・はざま)の立ち位置にある。 入門書と専門書の間 偉大な哲学者の書いた本はぜんぜん分からない。興味...
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ヘタなビジネス書より井原西鶴

ビジネス書と呼ばれる本は基本的にくだらない。読むだけ時間のムダ。 もし読むのなら、新刊ではなく、時の風化に耐えた本がいいだろう。 というわけで、江戸時代の井原西鶴「日本永代蔵」なんてどうかな。 仕事と...