日記と雑談

未知と出会うために迷子になれ

レベッカ・ソルニットのエッセイ「迷うことについて」を読んで、初めての場所で道に迷うことがなくなったなぁ、としみじみ思う。 昔は電車を降りたら、まずは駅周辺の案内板を探し、そして印刷してきた地図と見比べ...
食文化と美食探訪

「きす」以上に深刻な「めごち」。江戸前の天ぷらが消滅の危機。

「てんぷら前平」で美味を堪能し、前平智一さんのお話を伺っていると、東京湾の異変を実感させられ、いろいろと調べたくなる。 千葉県竹岡港で揚がる「鱚(きす)」について伺ったのがきっかけで、その後も情報を追...
投資や経済の話題

投資先企業の数とその色分け、保有期間について。

rennyさんと「企業価値を探究するファンド」ってどんなの?というお話をするなかで、私の個別株投資と比べる展開になった。 実のところ意識して管理したことがなく、今回問われて、初めて無意識にしていた投資...
食文化と美食探訪

地元食材にこだわるレストランの源流? 志摩観光ホテルの高橋忠之料理長。

COVID-19の襲来以降、旅は箱根と伊豆ばかりだったが、そろそろ遠出して、日本文化探求の旅を再開したいなぁと。 実はまだ伊勢神宮を訪れたことがないので、伊勢参りとセットで志摩観光ホテルに泊まってみた...
投資哲学を求めて

専門家気取りがオルテガの「大衆」を生み出す

世間では多様性やダイバーシティが訴えられているが、株式投資の方法論については、理論が確立されているかのように、本当に狭い範囲の議論しかされなくなっている。 一歩引いてその様子を眺めていると、以下の時代...
お薦めの本

チャールズ・スペンス「センスハック」

「センスハック」の言葉の意味がよく分からず、また邦訳の副題が「生産性を上げる究極の多感覚メソッド」と、安っぽいビジネス書の匂いがして、見向きもしていなかった一冊。 しかし最近、著者がチャールズ・スペン...
食文化と美食探訪

きすの天ぷら。いつまで食べられるか分からない江戸の美食。

天ぷらの神様、早乙女哲哉さんが、きすの天ぷらを語る動画が、美食家、山本益博さんのYouTubeに掲載されている。 約3年前に統計データとともに、きすの危機的状況を紹介したが、 江戸前の「きす」が稀少品...
人生の哲学と科学

美味しさを感じる能力は言語の獲得とリンクしている?

味の素食の文化センターの食の文化シンポジウム2022で、東原和成さんの講演に面白い話があったのでメモ。 まず前提として、食材の「風味」が料理の味を決めると説いた、ゴードン・M・シェファード「美味しさの...
日記と雑談

防災と資産運用の心構えは似ている

富士山噴火や首都圏の大震災が起きたとき、どのように社員の安全を確認・確保し、事業を継続させるか?そんな仕事をしている妻とこんな会話をした。 「円安になったから、ドルを持っていないとヤバイと言う人がいる...
投資の賢人に学ぶ

インフレと株価に関連性はあるか?/グレアム「賢明なる投資家」2章を読み返す

投資の世界で不朽の名著とされる、ベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家」は1973年出版。 物価上昇が当たり前だった時代に書かれており、第2章のタイトルは「投資家とインフレーション」となっている。今...
お薦めの本

安全資産・リスクオフとしての「円買い」はどこへ行ったのか?

今年4月に1ドル125円を超えた円安になり、これまで歓迎されてきた円安が、世間で警戒されるようになった。 歓迎されなくなった円安。貿易統計を眺める。(22/04/17) 私自身は6月になって1ドル13...
お薦めの本

100ページで思想家「現代新書100」。ショーペンハウアーを100円で読む。

9月13日創刊の講談社現代新書の「現代新書100」。今こそ読まれるべき思想家を100ページでまとめるシリーズだ。 創刊前の先行配信で、梅田孝太「ショーペンハウアー」が、電子版100円キャンペーンだった...
投資や経済の話題

ベーシック・アカウント構想は、格差縮小と日銀ETFの出口戦略にいいかも。

「資産所得倍増」や「1億総株主」を掲げるなら、NISA拡充だけではなく、こんな方法もあるよという記事を見かけた <“1億総株主社会”とは何か?>全ての国民に証券口座を ベーシック・アカウント構想(直居...
人生の哲学と科学

欲求のピラミッド。マズローは否定され、今はケンリックが支持されている。

私たち人間の欲望・欲求を構造化しようという試みの中で、一番有名なのは1943年に心理学者、マズローが示したピラミッド。 マズローのピラミッドは、自説の補強に引用される例を多々目にするが、近年では最新の...
社会を意識した投資

個別株投資でESGよりも大切なこと

個別株投資でESG投資ってどうやったらできますか? こうした質問を受けることが増えたような気がするが、約10年この分野の動向を観察してきた私の結論は、「そんなことを考えるのはおやめなさい」である。 こ...
日記と雑談

デヴィッド・グレーバーさんが故人だったなんて…

すごく今さらな話なのだけど、「負債論」や「ブルシット・ジョブ」の作者、デヴィッド・グレーバーさんが2年前に亡くなっていたことを知った。もっとこの人の著作を読みたかったのに、59歳で亡くなってしまうなん...
世界を読み解く方法

カルロ・ロヴェッリの量子論に、思考法や思考の癖を学ぶ。

カルロ・ロヴェッリ「世界は関係でできている」。 量子力学の解釈をめぐり、大きく分けて、「多世界解釈」「隠れた変数の理論」「QBリズム」の3つの派閥があるが、著者は「関係」を軸に解釈すべきと説く。 科学...
お薦めの本

書籍の表裏が分かりにくいわけ/ヘンリー・ペトロスキー「本棚の歴史」

本の部分の名称で「背」と言われると、どこ?と混乱しがち。 本棚に並べたときに、こちら側に向いている、タイトルが書かれた部分が「背」に該当する。というような表現をすると表側なのに「背」なの?と混乱する。...
日記と雑談

UDデジタル教科書体。読み手に配慮した書体選び。

どのような書体・フォントを選ぶか? 近年はデジタル端末で文字や文章を読むことが増えており、書体に関心を持つ人は少なくなっているのだろう。 かつては印刷所によって所有している書体の活字が異なり、出版社は...
世界を読み解く方法

閃きを呼ぶ「玲瓏」は、神を招く作法と同じ。

羽生善治さんがサインに記す「玲瓏(れいろう)」。 この言葉についての本人の解説を引用すると、 「意味としては、富士山の頂上から眺めるような風光明媚な景色、またはそのような心境ということです。意味の近い...