世界を読み解く方法

論理より直感を信じるようになった経緯

論理的思考、ロジカル・シンキング。 私のなかでは2000~2010年あたりに、世間でもてはやされた印象がある。当時20代だった私は、なるほど論理の積み上げが大切なのか!と真に受けたが、とくに証券市場と...
国際政治・外交と地政学

NATOは地域平和の奇跡/グレンコ・アンドリー「NATOの教訓」

グレンコ・アンドリー「NATOの教訓」。 ロシアによるウクライナ侵略以来、NATOの名前をよく耳にするけど、NATO自体について、あんまり知らないなぁと思って手に取った本。 NATOは地域平和の奇跡 ...
生物と生命の不思議

脳が複雑だから永遠には生きられない?/更科功「ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか」

「生まれ生まれ生まれ、生まれて、生の始めに暗く、死に死に死に、死んで、死の終わりに冥し」(空海「秘蔵空論」) 私たちはなぜ生まれてきて、なぜ死んでいくのか?そんなことを考えはじめると空海に怒られそうだ...
古典に学ぶ人生論

利殖上手にして武辺者の岡左内。そのお金の使いどころ。

戦国武将、岡定俊(1567~1622)。通称、岡左内。調べているとお金の面で、なかなかおもしろい人物だ。 上田秋成は「雨月物語」(1776)の最終章「貧富論」に、主人公として左内を登場させ、こう語らせ...
日記と雑談

東大TV「知の巨人たちの雑談」がおもしろい

今年の春ぐらいからかな。東京大学が10年後の未来をテーマに東大の教授が語り合う、「知の巨人たちの雑談」というタイトルの動画を配信している。 未来を考える上での基礎知識のようなものが得られて、これは投資...
人生の哲学と科学

専門用語の多様の裏にはどんな心理が?

カタカナ語や何らかの用語を省略したアルファベットの羅列など、いわゆる専門用語を不必要に使ってしまうと、その分野に新たに興味を寄せる人に対して壁を作るようなもの。 2006年にイグノーベル賞を受賞した論...
日記と雑談

母校に寄付は一般的ではないのかな?

先日、rennyさんと中学・高校時代を思い出しながら収録していて、あの学校には本当にお世話になったなぁと改めて感じた。 中学受験をして中高一貫の私立に入学したのだけど、一番良かったのは教育というよりも...
世界を読み解く方法

相対性理論は世界の理を教えてくれる

アインシュタインの「相対性理論」に関する簡単そうな本を見つけたら、物理学の詳しい話は分からなくても、手に取るようにしている。今回はKindle版の「NHK「100分de名著」ブックス」のもの。 私にと...
日本の美意識

日本が得意とする創造法。まねる、くずす、みたてる、かさねる。

日本は少子高齢化やデフレ等々、課題先進国家だから、世界のモデルになれるはず!なんて話を昔はよく見聞きした。でも、世界に先駆けて何かを示すことができただろうか? 明治維新以降、欧米の背中を追いかけるばか...
お薦めの本

チャールズ・C.マン「魔術師と予言者」

今朝、国連の報告書の人口推計がニュースになっていた。 インドの人口が来年、中国を上回る見込み 今年2022年11月には世界の人口は80億人を超える 2050年には97億人に達する見通し 地球環境の崩壊...
お薦めの本

キャス・サンスティーン「最悪のシナリオ」

キャス・サンスティーン「最悪のシナリオ」。リチャード・セイラーやダニエル・カーネマンとの共著で、著者の名前を見かけたことがあったので読んでみた。 テロと気候変動、オゾン層破壊と気候変動。それぞれの対応...
古今和歌集

なぜ古今和歌集は四季の歌からはじまるのか?

「古今和歌集」の編集方法には不思議な部分が多々あり、以前、恋歌の巻についてはまとめたことがある。 古今和歌集の見事な編集術。その裏にはよみ人しらずの陰謀?(17/02/12) なにより不思議なこととい...
日記と雑談

なんでも温暖化のせいにしない

6月中に梅雨が明けてしまうという謎の事態に遭遇し、地球温暖化だから仕方ないよね…と考えがち。 でも、そこで考えるのを止めたら終わりなんだよね、というのを10年前に書き残した記事とともに反省した。美味し...
日記と雑談

言葉も文章も操る鳥、シジュウカラ。

鳥も単語や文章を操り、会話をしている。そんな鈴木俊貴さんの研究に密着したNHKの番組を見て、なんだこりゃ!と心から驚いた。 私が見たのはNHKBS「ワイルドライフ」だったが、Eテレ「サイエンスZERO...
講演・取材メモ

資源パラドックス! 電気自動車は環境にやさしいのか?

最近、立命館大学のオンラインセミナーがおもしろくて、結構な頻度で視聴している(アーカイブ配信もあるし)。 脱炭素を目指す一方で、予期せぬ資源消費が起きていないか?と指摘する山末英嗣教授の回が興味深かっ...
IR情報等から企業を見る

参加できなくても株主総会を楽しむ方法

rennyさんと株主総会をテーマにお話しして、株主総会への出席をきっかけにした売買事例を紹介したけど、平日昼間にそんな時間あるか!と思う方がほとんどだろう。 でも当日参加できなくても、株主総会を楽しむ...
お薦めの本

産業革命とは何だったのか?/長谷川貴彦「産業革命」

「産業革命以来の○○」「第○次産業革命」…等々、イギリスの産業革命を起点にした記述を多く見かけるが、そもそも世界史・経済史における産業革命の位置付けを知らない。 小川幸司&成田龍一「世界史の考え方」を...
社会や政治の問題など

コミュ力重視の社会が、発達障害を病気に追い込んだ。

近年、精神疾患と診断される人が増加したのは一体なぜか?(64歳未満の外来患者…2002年162万人→2017年244万人) 精神科医、熊代亨が記した「健康で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについ...
道元「正法眼蔵」

道元の遺言? 八つの大切なこと/正法眼蔵・八大人覚

道元の大著「正法眼蔵」の最終巻「八大人覚」は、釈迦入滅直前の説法「仏遺教経」からの引用が主だが道元絶筆の教えとして、遺言ととらえることもできるという。 「八大人覚」とは「八・大人・覚」であり、ここでい...
日記と雑談

演奏家なしに不朽の名曲は生まれない/チャールズ・ローゼン「演奏する喜び、考える喜び」

ピアニストで音楽研究家のチャールズ・ローゼン(1927~2010)が、1993年のインタビューで語った内容をまとめた一冊、 チャールズ・ローゼン&キャサリン・テマーソン「演奏する喜び、考える喜び」 私...