菜根譚

中国古典

風流は手の届く範囲にある/菜根譚・前集88、後集5

室町時代の「市中の山居」について先日まとめたが、似たような心得は同時代の中国で書かれた「菜根譚」にもあった。 静中の静は真静に非ず。動処に静にし得来たりて、わずかにこれ性天の真境なり。楽処の楽は真楽に...
中国古典

信念の功罪/菜根譚・前集112,130

何かしらの信念を持った人間は信頼されやすい。しかしその信念に固執しすぎて思考停止に陥るのはダメだ。 菜根譚を読み返していたら、そのバランスの大切さが示されていた。 信念を貫くべきだ(前集112) 意を...
中国古典

いつも心に風流を/菜根譚・後集4,83,132

初めて中国の古典を読むなら、孔子や老子よりも、「菜根譚(さいこんたん)」が読みやすいのではないかと思う。 菜根譚は中国・明代末期に洪自誠によって書かれた随筆集。 儒教・仏教・道教の三大思想を踏まえた中...
古典に学ぶ人生論

美学を持って生きる/菜根譚・前集55,66、後集70

老子の(33章)「足ることを知る者は富めり」にはじまり、 古今東西で説かれた「足を知る」ことの大切さ。 もちろん中国古典の集大成である菜根譚にも残されている。 まずは前集55項と66項を続けて紹介する...
古典に学ぶ人生論

平穏な時に心の準備を/菜根譚・前集85、後集118

いい機会なので菜根譚のお気に入りをまとめとこ。 人生はメリハリがあった方が楽しいものだけど、 緩急の変化も度を越すと疲れてしまう。 平時こそ心の準備が必要と説く前集85項より。 閑中に放過せざれば、忙...
IR情報等から企業を見る

ありのままを伝える大切さ/菜根譚・前集102

昨日モデルのごとく写真を撮られまくるという珍体験! 上場企業の情報開示にまつわる取材だったのだけど、 有価証券報告書などの型にはまった情報ではなく アニュアルレポート・CSRレポートなどから 企業の個...
古典に学ぶ人生論

濃淡つけず、ほとほどに生きる。/菜根譚・前集29,41

私のお薦めテレビ番組NHK「100分de名著」。 今月は中国明代の古典「菜根譚」が取り上げられている。 中国の古典から好きなものを一冊選べと言われると、 「老子」と「菜根譚」で迷う。私にとってそんな一...
食文化と美食探訪

タニタ食堂で目指す、薄味の人生

最近、週に2、3回は「タニタ食堂」で昼ご飯。 タニタ食堂には5つのルールがあり、 3番目の「味付けにこだわる」というコンセプト。 「出汁の味や素材そのものの「おいしさ」を感じていただくため、旬のおいし...
古典に学ぶ人生論

料理も人生も「淡い味」がいい/菜根譚・前集7、後集25

明朝末期の随筆集、洪自誠「菜根譚」。 中国では注目されず、日本の儒者が編集・刊行し今に残る。 料理に絡めた人生訓を読むと、なるほど中華より和に近い。 まずは前集7項より。 醲肥辛甘非真味。 真味只是淡...
お薦めの本

しあわせを探すための幸福論・推薦図書10選

2008年5月。30歳の誕生日を迎えた頃に気がついた。 20代に追いかけたしあわせのかたちは、まったく見当違いだったと。 それ以来、古今東西あらゆる幸福に関する本を読み続けている。 このあたりでいった...
しあわせのかたち

富と幸福・その3 足るを知る

「足るを知る」をテーマに、富と幸福の名言数珠つなぎPart.3。Part.1&Part.2きっかけはジョン・C・ボーグルの著作「波瀾の時代の幸福論」原題は"Enough.True Measures o...
しあわせのかたち

富と幸福・その2

昨日に引き続き、名言数珠つなぎで遊んでみた。その1はこの記事。まずはヘロドトス「歴史」。ソロンとクロイソスの有名な問答から。 「どれほど富裕な者であろうとも、万事結構ずくめで一生を終える運に恵まれませ...
しあわせのかたち

富と幸福

富と幸福の関係について書こうと思ってたんだけど、なんか気が変わった。株式投資をしてるせいで、関連性があると信じたいだけなんじゃないのかな? お金があれば幸せになれる、と考える人は、お金があっても幸せに...
日本の歴史と文化

浮世絵と菜根譚の共通点

昨日の菜根譚、なんでこんないいものが中国で読まれなかったのか。やはり中国は明の滅亡の前後に、何か大きな断絶があるのかな?と考える一方で、そういえば日本にも同じような例が…。浮世絵だ。日本では軽視され、...
名言・名文

菜根譚に出会う

菜根譚(さいこんたん)は、中国・明の時代に書かれた随筆集。 「中国五千年の人生訓を集大成した奇書」と名高い傑作らしいが、中国では忘れ去られ、江戸時代以降の日本で読まれ続けたらしい。1980年代後半にな...