日本の美意識

月の満ち欠けにめぐり逢いを見る(新古今和歌集)

「恋・桜・月」は日本文化形成に不可欠な3点セットだった。 でも「月」が日本人の心の問題になった時期は遅く、 おそらく平安時代後期のあたりから、というのがこの記事。 日本はいつから「月」に目覚めたのか?...
古典に学ぶ人生論

わが心は秋月に似たり

「○○の秋」が満載の日本。 月が秋の色、と詠ったのは西行だったか。 身にしみて あはれ知らする 風よりも 月にぞ秋の 色は見えける 秋の月をめでる心は日本独自のものではなく、 中秋の名月といった月見の...
日本の美意識

日本はいつから「月」に目覚めたのか?

私たち日本人は時代を超えて、月に憧れをいだいていた。 でも、それはいつ頃からなのだろう? 古代より闇夜を照らす月光は神秘的な印象を与えただろう。 でも日本の神話における、月神の扱いは冷淡なもの。 ギリ...
万葉集

万葉集、ツクヨミ(月読)の和歌

古事記では黄泉の国から逃げ帰ったイザナギノカミが、 川で禊をした際に3人の子供が生まれる場面が描かれる。 アマテラスオオミカミ(天照大神) ツクヨミノミコト(月読命) スサノオノミコト(須佐ノ男命) ...
日本の美意識

兼好法師の月見/徒然草137段など

便利な時代になった。 徒然草に描かれた兼好法師の「月」観を知りたい!と思えば、 どこの段に書かれているかあっという間に収集できる。 兼好の月への愛は21段の 「よろずの事は、月見るにこそ慰むものなれ。...
日記と雑談

ジェームズ・サーバー「たくさんのお月さま」

James Thurber“Many Moons” →原文(英語) 以下はジェームズ・サーバー「たくさんのお月さま」の抄訳。 ある国の幼いお姫様が空に浮かぶ「月」を欲しがった。 王様お抱えの学者をはじ...
日本の美意識

西行「山家集」の月恋歌より10首

経済系の学問が過去の数字を説明しているだけと悟って以来、 日本を読み解く方法を歴史の中に探し求め続ける日々。 今年の春、日本人が桜へ込めた想いを追っていくなかで、 日本の文化・精神史における転換点にい...
日本の美意識

花鳥風月の風は秋色

その起源は憂いに満ちた心を出入りしていた「花鳥風月」。 でも安土桃山時代以降、花鳥は障壁画、蒔絵、着物に舞い降り、 「花鳥の使い」が持っていた、あでやかな色合いを取り戻す。 そして今では、花鳥風月に関...
日本の美意識

花鳥風月の来歴。杜甫の春望からはじまった?

花鳥風月。 日本の風物を表す代表的な言葉として誰もが知っている。 ところで起源はどこにあるのか? 中国、唐・玄宗皇帝の時代(712~756年)、 天下の美女を選ぶために派遣した使者を「花鳥の使」と呼ん...
日本の歴史と文化

三日月が象徴のイスラム教。日本への伝来は?

クロワッサンをサクッとかじる。 この三日月パンの来歴はハッキリしないようだが、 かつて西欧を震撼させたオスマントルコ帝国と関係があるらしい。 (クロワッサンを食べてトルコとの戦いに勝とう!みたいな) ...
日本の美意識

月の日本史

「月は地球の近くにあったのに、だんだんわれわれから遠ざかっている。・・・われわれの遺伝子や脳には月がだんだん遠のいていったという古来の記憶が伝播されていて、それが月に対するはかなくやるせないおもいを駆...
日本の美意識

月の姿が見えない竹取物語

「竹取物語」は「限りのない美と心」を表した日本の美意識の原点。 そんなツベタナ・クリステワの見解に誘われて、久しぶりに読んでみた。 「月」が絡んだロマンティックな物語と勘違いしてる人もたまにいるけど、...
日本の美意識

足利義政、月へ逃避した美学の英雄

京都東山の慈照寺(銀閣寺)を造営した室町幕府8代将軍、足利義政。 義政を中心に展開した東山文化は、日本文化史において最も重要。 でも、義政を学びたくても、書かれた本はとても少ない悲しさ。。。 応仁の乱...
日本の美意識

西行、月の歌-「山家集」より

西行の和歌集「山家集」をついに手に入れた。しかも350円で♪人と自然を愛し、いかに無常を生ききるかを詠った西行の和歌。こんな素晴らしい逸品が、絶版で入手困難なんて困ったものだよ。 西行といえば桜の歌が...
道元「正法眼蔵」

月に全宇宙を見た道元/正法眼蔵「都機」の巻

「諸月の円成すること、前三々のみにあらず、後三々のみにあらず。」 ではじまる「正法眼蔵」の「都機」の巻。「つき」と読み、月のことだ。月が好きな私には、見逃せない巻なのだ。 釈迦の「仏とは虚空であり、水...
日本の美意識

月も雲間のなきは嫌にて候

茶道の系譜は、村田珠光→武野紹鴎→千利休。侘び茶の創始者とされる村田珠光のことばがタイトルの「月も雲間のなきは嫌にて候」茶の湯の美意識を代表する名言の1つなんだって。 でもこれって珠光から200年さか...
日本の歴史と文化

三田誠広「西行 月に恋する」

昨春、桜と日本をテーマに書いたけど、調べ初めが遅く、時期がズレた。→ 関連記事 桜と日本(10/04/01)、桜と日本・2(10/05/05)今年は早めに調べはじめようと、まずは西行の本を読みあさるこ...
百人一首

失われゆく月のロマン

今年の中秋の名月は9月22日なんだって。先月は満月近くに、ちょうど多摩川の花火大会が重なり風流を楽しんだ。 もしも夜空に月がなかったら、、、なんて考えてみると、月が文芸の分野に与えた影響が、いかに大き...
日本の美意識

花鳥風月の「風」は見えない

日本には「花鳥風月」という言葉があるけど、「風」だけは目に見えない。そんなつかみにくい風を追いかけて、日本語には風にまつわる言葉がたくさん。 もちろん私が気になるのは、「風流」とか「風情」って方面の言...